産経大回頭か、「正論」の説得力、他。
【産経抄】10月13日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/186428/
【主張】北のテロ指定解除 約束破れば再指定せよ 拉致で日米連携の再確認を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/186429/
“あめぽちの”という枕詞で呼ばれた産経新聞に、いったいなにがあったのか。そう思うぐらい、「主張」と、特に「産経抄」が、米国批判を強めています。もっとも、テロ国家指定解除手続きが始まった6月からの“涙目キャンペーン”当時もそう思ったものですが、解除予定日の8月11日を境にぴたりとやんでしまったので、これもまた今日だけのことなのかもしれません。
しかし前回のキャンペーン当時は、ブッシュ大統領やましてや小泉元首相の名前を具体的に挙げての批判はほとんどなく、ライス国務長官とヒル国務次官補(六者協議首席代表)のラインが大統領を無視して勝手に手続きを始めたかのような論調だったことを考えると、もしかしたら今回は本当にこれがターニングポイントになるのかもしれません。米国べったりの原則を守るためには、そろそろ民主党オバマ候補に近づいておかないといけませんし。
【正論】鳥居民 「宮中祭祀廃止論」への疑問 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/186463/
なにやら奇態な文章です。宮中祭祀見直しを唱える原武史・明治学院大学教授への、特に貞明皇太后と昭和天皇の関係に関する記述への反論らしいのですが、なんだかよくわかりません。わたしは近現代史、特に終戦前夜についてほとんど知識がないのでわからなくて当然であり、原氏と鳥居氏の論争そのものには口を挟めないのですが、この鳥居氏の文章には説得力がまるでないのです。
鳥居氏によれば、明確な記述はないものの木戸幸一日記と高松宮日記を「丁寧に読めば」「すべて浮かび上がる」のだそうですが、両日記のどこがどう鳥居説の根拠になっているのか、まったく説明がありません。まさかとは思いますが、「ぼくはそう感じたんだもん」以上の根拠がないんじゃないでしょうね。
もちろん、紙幅に制約がある新聞コラムでは、こんなややこしい論争をする方が無理なので、これはどこかできちんとした論文を書くためのエスキースなのかもしれません。しかし、産経新聞200万読者(自称)に向けた独立の文章として、どんだけ説得力がないか、書いていて気づかないもんでしょうかね。iza!ブロガーの数人は説得できているようなので、それだけでも上出来なのかもしれませんが。
おまけ。
http://s04.megalodon.jp/2008-1013-1453-56/www.technobahn.com/cgi-bin/news/read?f=200810131201
すでにあちこちで話題になっているネタ。誤報・虚報・捏造といえば産経の専売特許のように思われがちですが(いやそこまで言ってるのはわたしぐらいですが)、Technobahnもちょっとアレでしたか、という記事。さすがにもう消えているので、誰かが取ってくれた魚拓です。