産経記者、宗教を重んずる。
【軍事情勢】将星が唱えた念仏と題目 野口裕之 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/worldnews/180191
SANKEI EXPRESS好評連載中、野口裕之政治部専門記者のコラムです。連載タイトルに反して、「情勢」でもなんでもありませんね。過去の話ばかりで、東條英機と岡田資を礼賛していますが、東條の自衛戦争論をマッカーサーが受け入れて議会で報告したとか、怪しげなことばかり書いてありますね*1。とりあえずピンと来たのはこの一点ですが、他にもいろいろ言を弄しているのだろうと思います。
で、巣鴨拘置所で東條が浄土真宗に深く帰依し、岡田が法華経を信仰したことをテーマにしたいらしいのですが、結局なにを言いたいんだかわからないんですね。事実(というか書物の引用)をしているだけで、具体的になにを主張しているんだかわかりません。法華宗も広い意味では他力本願だし、浄土真宗も自ら信仰することを重視するので、乱暴に言ってしまえば両宗派に違いはありません*2。
最終段落の、(戦前の)日本でも宗教教育を重視すべきだった、という点が野口記者の言いたいポイントなのかもしれませんが、ここまで旧軍と伝統宗教の礼賛をしてきていきなり欧米崇拝になってしまうのもすごいですね。宗教(一神教)を道徳や哲学の骨格にするのは、ヨーロッパというごく狭い地域だけの慣習にすぎないのですが。逆にここで「伝統宗教を重視する」と断言できないあたりは、なにか深読みもしたくなります。