産経の目線と読売の視野。

　18日分です。

【産経抄】９月１８日 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/179330/

　事故米をそれと知らずに購入した業者は善意の第三者であり、たしかにある意味では被害者なのでしょうが、それを言ったら消費者はさらなる被害者で、業者リストの公開は当然です。いちいち農薬残留量の調査まではできないにせよ、加工用米としての価格相場や、実際に納入されこれから食品に加工しようとする米の実物を見て、おかしいとは思わなかったのでしょうか。そういう業者に、問題はなかったのでしょうか。少なくとも、周五郎が絶賛したような業者がその中に入っている確率は、たいへん低そうです。
　それにしても見事に、消費者保護の観点がなく業者擁護ばかりですね。この調子だと産経はそのうち、三笠フーズまで正当化してくれそうです。

【主張】汚染米転売　消費者側も冷静な対応を - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/179331/

　「主張」も同じ問題を取り上げていますが、こちらの方は「産経抄」に比べれば中立的で、農林水産省の対応が本当に消費者目線に立ったものか、という疑問も呈しています。しかしこちらも、全体としては消費者目線に立ったものとは言えないでしょうね。

「豚に口紅」ＮＹタイムズが自民総裁選を酷評 - YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080901-4146106/news/20080918-OYT1T00395.htm

　読売の記事ですが、興味深かったので。「自民党に口紅」と論評したのは見出しのとおりニューヨーク・タイムズですが、ついでのように、ワシントン・タイムズが小池百合子総裁候補を「日本のヒラリー」と紹介していることも報じています。産経の記者以外も読むんだ、あれ。

予想外のこだわり…竹島問題に終始　第１６回日韓フォーラム - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/179497

　産経新聞論説委員長を6月に退いたばかりの千野境子特別記者ですが、日韓フォーラムについて長めの記事を書いています。参加者の固有名詞がまったく出てこないのでぴんとこない面もあるのですが、わざわざ「ある野党政治家」などという記述をしているので、意図的なものでしょう。
　ところで千野特別記者は「先日開催された」と述べていますが、世界金融危機や金正日の重病説はもちろん、福田康夫首相の辞任表明に伴う日中韓首脳会談の延期もふまえない討論が行われたようです。どうもおかしいので確認してみると、フォーラムの開催は8月28日から30日にかけてでした。いまごろ先月の話をされてもなあ。

JCIE | 第16回日韓フォーラム
http://www.jcie.or.jp/japan/gt/kjf/08.html

　千野氏はフォーラムに張り付いて取材したわけではなく、パネラーとして参加していたんですね。「特別記者」の英文表記はcolumnistになるのか。ちなみに、同じく朝日新聞論説主幹を4月に退いた若宮啓文氏の肩書きも「コラムニスト columnist」です。ついでにかなりどーでもいい話ですが、前原誠司氏の肩書きが「民主党副代表」で岡田克也氏が「民主党元代表」なのはなぜなんだろう。岡田氏はフォーラム開催前からご隠居モードだったってことですかね。