黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経記者、面白い日本語を使う。

【外信コラム】ポトマック通信 お祝いの額は - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/gaishin/179550
親はほっと肩をなでおろすと同時に

 有元隆志記者は、ずいぶん体が柔らかい人のようです。今試してみましたが、少なくとも右手で自分の右肩をなでおろすのは、わたしには無理でした。「胸をなでおろす」と「肩の荷を下ろす」を混同したのでしょうが、「汚名挽回」などと違って、わりとユニークな誤用例ではないかと思います。表現はともかく、息抜きコラムとしてはそこそこ面白い内容なんですが、有元記者はなんか家族の話ばかりしているような印象があるなあ。

河野氏引退とあびるん自己紹介。

河野衆院議長が引退表明 後継候補に牧島かれん氏 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/179546

 正式に引退を表明したことを伝える無署名記事です。河野談話への立場、首相にならなかったことなどについて、含蓄のある言葉が並びますが、産経の記者に伝わっているのでしょうか。


 この引退会見前に書かれた、あの阿比留瑠比記者による記事も同時に出ていました。政治家の引退表明という節目に評伝記事が出るのはよくあることですが、編集デスクもなんでわざわざよりによって、この記者に依頼するのでしょうかね。

さらば“河野談話” 引退前に非を認めてほしかった - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080918/stt0809182256017-n1.htm

 まず、「河野談話は宮沢内閣の意志を官房長官が表明したものであり、個人が勝手に口走ったものではない」という事実を認識する必要があります。内閣の意志は日本国の意志であり、その後の政権党の移動にかかわらず、河野談話は歴代の内閣に踏襲されてきました。安倍晋三首相(当時)も(すでに事実上二代前の政権となったのでことさらに取り上げるのもおかしなものですが)、「政府として河野談話を踏襲する」と明言しています。仮に今から河野氏がこの官房長官談話を「撤回します」と言っても、何の意味もないのです。
 実は河野談話については、責任の所在を公式文書として残すのではなく「談話」というかたちで逃げているという指摘もできます。というか、当時は実際に責任追及派からそういう批判を受けていましたし、責任回避派からは「よく逃げた」という声さえあったのです。この記事でも、石原信雄元官房副長官の発言として、また河野氏自身の後日の発言として、いわゆる「狭義の強制」を認めた談話ではないことははっきりしています。河野氏が昨日の会見で「きわめて重要な談話」と語っているのも、その点を含めてなのでしょう。この記事で引用されている河野氏と石原氏の発言を並べただけでも、このような結論しか出てこないのに、阿比留記者は発言を接続する文章で、まるで矛盾したことが言われているような印象を作ってしまっています。

河野衆院議長の引退記者会見記事の補足と会見内容 - 国を憂い、われとわが身を甘やかすの記:イザ!
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/722658

 阿比留記者のblogで、記事の内容補足や河野氏引退会見の内容を紹介するエントリですが、この中に「少しずつ微妙に事実関係をねじ曲げ、論点をずらし、人々が気付かないうちに真相からどんどん遠いものにしてしまうこの(中略)話法」という表現があります。なんでここで自己紹介しているのかと思って読み直したら、どうやら河野氏を批判しているつもりのようだったので驚きました。*1

*1:このエントリは、阿比留blogの部分以外は今朝方ほぼ書き上げていて、夜になったら他のネタと一緒に公開しようと思っていたのですが、碧猫さんからご期待のむねTrackBackをいただいてしまいました( http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-524.html )。しかしあちらの方が詳細かつ的確にツッコミされているうえに、dj19さんもすでにツッコミを入れているので( http://d.hatena.ne.jp/dj19/20080919/p1 )、やりづらいです(笑)。dj19さんが阿比留blogに寄せたコメントが即削除されたという話は、他なら重大な問題なのですが、ここでは申し訳ないながら言及するにとどめておきます。あびるんならいつものことなので(笑)。