産経、間に合わず。
会社が一つ潰れただけで世界中が大混乱に陥っていますが、さすがにこれはしかたないか。日本では三連休明けと新聞休刊日が重なったおかげで混乱に拍車がかかり、取材する側もなかなか大変だろうとは思います。思いますが、やはりいろいろツッコんでおきたいところです。まず予備知識として、米リーマンブラザーズ本社の破綻に伴い、今日午前にリーマン日本法人も民事再生法の適用を申請しました。
【米金融危機】リーマン社員「何も聞いていない」 六本木ヒルズの日本法人 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/178693
出社してきたリーマンの従業員たち*1に話を聞いた記事です。この状況で、10時45分時点で「通常業務を行うだけ」といったコメントを掲載するのも、間抜けな話ですね。報道陣が集まっている様子をライブドア事件のときに喩えているのは、フジサンケイグループにとってあの事件がよほど印象的だったからでしょうか。当時のいきさつを考えると、リーマンブラザーズに対しても積年の思いがあるのかもしれません。
【米金融危機】リーマン証券に保全命令 東京地裁 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/178701
話を戻して、タイミングの問題について。iza!では第一報がこの記事だったようです（11時51分付）。それにしても、わかりにくい見出しですね。ふつう「民事再生法適用申請」の方を出さないでしょうか。
たとえば読売新聞は、10時33分にこのように報じています*2。
リーマン日本法人が民事再生法の適用申請 - YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080916-OYT1T00087.htm
さて、10年ちょっと前のことを覚えている世代なら、今回の米国金融危機を見て、当時の日本の金融危機を思い出さざるを得ません。労働者向け住宅ローンの金融会社であった住専各社の破綻処理から1年ほどを経て、業界4位の証券会社が破綻したわけです*3。
上記のように今日は休刊日だったのですが、明朝までには各紙の論説が出そろうでしょう。11年前のことを思い出すメディアは、どのぐらいアルでしょうか。
*1:ここでどうしてもあの駄洒落を言いたくなってしまうわけですが、bogusnewsさんに先を越されたので涙を呑んで控えます。http://bogusne.ws/article/106648831.html 参照
*2:10時33分時点では「適用申請か？」だったものをあとから書き換えた可能性も考えるべきですが、手元のRSS受信ログでは取得時にすでにこの見出しでした。関係ないけど、昨日あたりからYOMIURI ONLINEのRSSは急に反応がよくなって、ふつうのニュースサイトなみになりました。不思議。
