黙然日記(廃墟)

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山谷えり子首相補佐官解任、PKO参加推奨、他。

教育再生担当の首相補佐官に渡海氏 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/172152
従来の教育再生懇談会に加え、留学生30万人計画の推進や教科書のあり方に関する検討などを補佐官の担当する。

 見てきた範囲では、新内閣発足や内閣改造の翌々日ぐらいには、副大臣などと同時に首相補佐官の人事が発表されるものだと思っていました。8月1日の閣僚交代から3週間経っても音沙汰がなかったので、人事異動なし(補佐官留任)なのかと思っていましたが、なぜかいまごろ山谷えり子教育再生担当首相補佐官の更迭が発表されました*1安倍内閣発足当時に政策面の目玉として任命され、内閣改造と総辞職を乗り切ってきた、サンケイリビング900万部の元編集長(自称)にして反ジェンダーフリー教育の旗手、最後まで官邸に残っていた安倍晋三前首相の腹心たる山谷えり子氏の命運も、ついにここで尽きたようです(まだしばらくは参議院議員ですが)。
 ところで、記事の中で引用した文章が無茶苦茶になっているのは、やはり産経の記者が涙目になってキーボードや画面がよく見えなかったからでしょうか。

【主張】タンカー乗っ取り やはり給油支援は重要だ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/172082/

 例によって産経は「海賊対策のため洋上給油をなんとしても継続せよ」と主張しています。海賊対策は重要であり国際協力が必要ですが、インド洋多国籍部隊への給油との関係はほとんどありません。たまたま同じ海域で行動したり事件が起きたりしているというだけの話です。多国籍部隊はテロリストを警戒し拿捕するために展開しているのであって、極端な話ですが、部隊所属艦の前に「テロリストによる武装していない輸送船」と「武装してやる気満々の海賊船」が同時に現われた場合、テロリストの船を追って、海賊船を見逃す可能性だってあるのです。
 海賊取り締まりは一義的には沿岸諸国、この場合はソマリア沿岸警備隊が対応すべき仕事です。しかし現在ソマリア無政府状態に陥っており(だから海賊がはびこるわけですが)、国連安保理の承認を受けたAUアフリカ連合)によるPKO部隊が展開しているような状況です。もし本当に日本国のシーレーンを守るために自衛隊なりを派遣するのなら、PKO海上部隊として海自や海保を派遣することがもっとも目的にかなうでしょう。今年5月のアフリカ開発会議(TICAD)で日本国とアフリカ諸国の友好協力を確認したばかりですし、平和目的の警察行動でもあり、国連安保理の承認も得られるなら、日本国内での反対も少ないと思われます。
 このPKOへの参加は、産経の大好きな「国際的評価」も得られる選択ですが、「主張」はそんなことをおくびにも出していません。もしこの暗に産経的にネックがあるとしたら、「そんなことをシーファー米大使は要求していない」という点ぐらいなものでしょうね。

【正論】加地伸行 「靖国」を全戦没者慰霊の場に - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/172055/

 加地氏は、8月15日には恩讐を越え敵味方なく戦没者を追悼慰霊するべきだ、と主張しています。まったく同意します。そのために、無宗教追悼施設を作るのではなく靖国神社で慰霊祭を行うべきだ、とも主張しています。まるっきり理解できません。
 8月15日に、両陛下をはじめ内閣総理大臣・衆参両院議長・最高裁判所長官以下おもだった人々が集まり、無宗教形式で戦没者を追悼慰霊する儀式が、すでに行われているではありませんか。この追悼式を、関係戦没者全体を含めた鎮魂の場と定義し直せばいいだけの話です。なぜ、靖国神社境内で神道形式の儀式を行うことにこだわる必要があるのでしょうか。

アキバの治安回復へ警察官増強 警視庁 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/172245

 秋葉原を「安心して遊べない街」にしている筆頭が万世橋警察署なのですが、まだ警備を強化しようというのでしょうか。この警察広報を垂れ流しているのは、例によって産経だけです。

*1:一説によると、伊藤達也社会保障担当補佐官の扱いでもめていたとのことです。福田首相の腹づもりに関する読売の報道ですから、信頼性は高いでしょう(笑) http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080817-OYT1T00216.htm