地政学とフィクション。
【主張】野田氏出馬断念 政策競わずに民主主義か - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/172361/
「さっさと総選挙をやれ」ということですね、わかります。
【福田政権考】外国人地方選挙権の地政学的リスクは? - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/172380
見出しが目に入ったときは、どうせまたあびるんだろうと思ったのですが、政治部・榊原智記者でした。他がひどすぎてあまり目立ちませんが、この人もけっこうアレだなと以前から感じていました。
産経の記者が「地政学」という単語を持ち出すとき、それは本来の意味ではなくて、単に「隣に中国が存在する」というだけの意味でしかないことが多いようです。「地政学」とか耳慣れない単語を入れれば、もっともらしく見えるとでも思っているんですかね。日本国の地政学的特徴というと、「外部から侵入されにくい」の一点に尽きます。陸地の国境線がないから難民が一気に押し寄せてはこないとか、そういうことですね。「隣に対立している大国がある」のは、単なる事実認識で、地政学でもなんでもありません。だいたい、隣国となんらかの対立をしていない国家なんて、そもそもあり得るんでしょうかね。
【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 中国の“嫌韓感情” - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/172365
産経は今、中国観衆が反日的な応援をするという「殺!」キャンペーンに必死ですが、韓国マスコミに言わせると、中国での日韓対戦で中国の観衆は日本を応援し反韓的なのだそうです。キャンペーン担当者涙目ですね。黒田勝弘ソウル支局長と伊藤正中国総局長は、ライバル関係ではあると思っていましたが、そんなに仲が悪かったのかしらん。
【コラム・断】今こそ「聖俗」の議論を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/dan/172364
呉智英氏の「断」はチベット問題を取り上げています。内容はすでに多くのツッコミを受けているので略します(20日付富岡幸一郎氏の「断」にブーメランが直撃してるなあ、とかもあるのですが)。
中華人民共和国政府によるチベット弾圧について、山際素男『チベット問題』(光文社新書)と並べて、業田良家『慈悲と修羅』(「わしズム」2007年夏号掲載)を根拠としているのは、どういうつもりなのでしょうか。悲惨における人間心理を描いて右に出る者のない業田氏の作品がいかに傑作であるとしても、このマンガはフィクションとして描かれています(中国ではなく「大華国」とするなど)。フィクションは人間の“真実"をなによりも描き出す力を持ちますが、それは“事実"ではありません。
マンガ評論の開拓者として呉氏への評価を惜しむものではありませんが、この人がいままで、このレベルのリテラシーでマンガ評論をしてきたのかと思うと、悄然とするものがあります。