黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

古森義久氏、間髪を入れず。

 うっかりしていたらまた2本のエントリを取り上げることになってしまいました。あいかわらず精力的に活動されているようです。

労働組合が選挙関与のために分裂した――アメリカの例にみる(3)(完) - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/620741

 こちらは「SAPIO」掲載記事の続き。エントリが上がった時点では「大労組は選挙関与のために分裂した――アメリカの例にみる(3)(完)」というタイトルだったようですが、いまは上記のタイトルに変更されています。
 米国労組の選挙戦での動向は、日本語の記事ではあまり伝わってこないので、その意味では貴重かもしれません。ただ、事実*1を並べただけの内容で、思ったほど“古森氏らしい"ものではありませんでした。こういう記事を新聞に載せて、主観たっぷりのエッセイを「SAPIO」などに書けばいいと思います。よけいなお世話ですか、そうですか。

日本は中国をどうみるか――ドイツでの報告から(1) - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/621898

 前の連載が終わると間髪を入れず新連載という、人気マンガ家のような古森氏です。タイトルだけ見て、「古森さん、前回*2と同じエントリ上げてない? ついに○○ちゃったの!?」とあわてたのですが、前回はドイツ講演の経験を書いた雑誌「諸君!」掲載エッセイ、今回は講演そのものの紹介でした。なぜ2ヶ月近く前の講演原稿を持ち出してきたのかは不明ですが、また新シリーズの(1)で、しかも同時通訳付きとはいえ1時間半のものだったそうで、今後が不安です。
 なおタイトルについて、米国での講演を「アメリカへの報告*3としていたのに対して、ドイツでの講演は「ドイツでの報告」となっているあたりが、改めて注目されます。
 文中に「総額3兆円(300 billion 米ドル)を越える巨額の経済援助」という記述があるのですが、もしかしたらやっぱり○○ちゃったのでは……。ちなみに"30 billion US$"が近いようです。
 「我がドイツの戦後賠償・反省謝罪は世界一ィィィ!」とドイツ人は考えている(んじゃないかと思う)ので、会場のドイツ人たちが古森氏の講演をどう聞いたのか、興味深いところです。もし、「ドイツ政府は贖罪意識のために中近東外交で十分な主張ができない」とドイツ人が発言したら、どう思われるのでしょうか。
 与えられたテーマとはいえ、この講演は日中関係のことを話すばかりで、ドイツ人に伝えるという意識があまりないみたいです。とってつけたように日中関係を独仏関係にたとえたりしていますが、もっと根本的なところで、意識しているのかが疑問です。たとえば、ドイツ人の2割は共産主義を肌で知っており、8割は共産主義との対峙を肌で知っています*4。そういう人たちにいまさら共産主義の脅威を説明しても、「なに言ってんだこいつ」と思われるだけではないかと危惧してしまいます。

中国、核戦力増強やサイバー攻撃強化 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/156392

 一般の記事も出ていたのでついでに。また公聴会ネタ、また中国脅威論で、コメントのつけようがないのですが。

*1:こちらで裏を取ってはいませんが。

*2: http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080602/1212418103 参照

*3: http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080620/1213891263 参照

*4:もちろん、その比率はどんどん減っているのでしょうが、この講演会に来るような人はほとんどが知っている世代でしょう。ちょうど日本で、平成生まれが中学を卒業した、高校を卒業した、A代表に出場した、というのがいちいち注目されるのと同じか、それ以上に、ドイツにも「壁」以後世代という認識はありそうな気がします。