黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経小ネタ0623。

背信の論理 テロ指定解除】(上)拉致軽視「欠陥の融和策」(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080623/amr0806230913001-n1.htm

背信の論理 テロ指定解除】(中)下げたハードル 米に口実(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080623/plc0806230914005-n1.htm

背信の論理 テロ指定解除】(下)通い合った心 大統領信じ(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080623/kor0806230917001-n1.htm

 連日取り上げていたシリーズ「背信の論理」が完結するとともに、やっと電子版が配信されたので(日付が捏造されていますが)、まとめてリンクしておきます。(下)は住井亨介記者で、家族会への取材が中心でした。
 どうでもいいけど、3人で内容のすりあわせをしなかったらしく(阿比留氏は米国視点・国内視点・社会部視点だ、とか言っていましたが)、似たような話ばかり繰り返されていますね。

【五輪の中国】問われる「愛国」の中身 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/155261

 中国総局福島香織記者による、連載記事の一回です。四川省少数民族チャン族出身のアイドル、アルマイナ(愛称「天仙妹妹」)の話題から入っています。
 3年前、「少数民族の子供の笑顔」という、まあありがちなかたちで彼女の写真がネット上で公開されているのを憤青(憤る青年=中国のネトウヨ)たちが見つけ、「この子可愛くね?」「ちょwwwテラカワユスwww」と人気に火がつき、いまや映画やテレビでも活躍しているという、まあ日本で言えば(ちょっと違うけど)眞子内親王殿下や入江紗綾みたいな存在ですか。その彼女が聖火ランナーに選ばれるにあたり、「祖国を愛することは故郷や父母を愛すること。それは世界、私たちの“地球村”を愛することと同じです。だから五輪や聖火リレーは中国が世界にとけ込むことを体現するものでなければならない」と発言したことが紹介されています。少数民族出身の彼女が、少なくとも漢民族至上主義に与するはずはなく、世界市民的な意識を持つのは不思議ではないでしょうね。
 記事全体は、四川大地震を経験して、中国の「愛国心」が「官製の愛国心」から本来の愛国心(括弧なし)になっていくのではないか、という主旨なのですが、日本のネトウヨはこれをどう受け止めるでしょうか。*1

【主張】著作権とネット 「公正利用」の導入が必要 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/155244/

 政府の知的財産戦略本部著作権法改正について検討し、フェアユースの概念を取り入れるかもしれない、という話です。これは公正な目的のための自由な引用を認める、著作権などを濫用して妨害してはいけない、という概念で、米国では明確にされているようです。
 日本の現行著作権法でも、批評目的の引用は認められているはずなのですが、トラブルになることもあります。その一例が小林よしのり氏と上杉聰氏の『脱ゴーマニズム宣言』裁判ですが、この裁判では「批評のための無許可引用そのものはまったく問題がない」ことが最高裁で確定しています*2。ではなにが変わるのかというと、とりあえずWikipeida日本語版にもアニメ作品の記事に画像を入れられるようになる、ぐらいしか思いつかないのですが、たとえば二次創作の自由度を上げるような方向に持っていけないかな、などという妄想も浮かんできます。
 まあそういうわけで良い話なのですが、産経がプッシュしているあたりに、一抹の不安が残ります。

産経抄】6月23日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/155267/

 話題がとっ散らかり気味なのはいつものことですが、コラムとしては悪くありません。先週あたりの産経抄が通常運転、つまり偏った姿勢と滅茶苦茶な論理と強引な結論が続いていたのに比べて、いきなりどうしたんだ、という印象です。褒めるときにはいちおう褒めておかないとね。

 以下は24日分のつもりで。

*1:芸能人については敬称略。名字のない名前を「氏」と呼ぶのも変だしねえ。

*2:ただし、同一性保持権のために出版差し止めの判決。