黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経小ネタ0617-0618。

 そういうわけで昨日は更新できなかったのですが、まとめて。こもりんネタは明日にするか。

【主張】岩手・宮城地震 都市直撃にも思い馳せよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/153705/

 17日の「主張」ですが、むかっ腹立ちますね。都市型災害に注意を払うのは当然ですが、山間部の災害を無視していい道理はありません。土砂崩れ災害は、当たり前ですが平野ではなく山地で発生します。集落などの孤立が起きる可能性も高く、山地の地震災害には特有の危機管理が必要です。これは中越地震などでも得られたはずの教訓ですし、今現在、それを目の当たりにしているではないですか。
 どんな山奥でもわずかな平地があれば田を作り、平地がなければ段々畑を作り、あるいは温泉が出れば旅館が建ち、登山道に沿って山小屋が作られます。そこには人が住み、また訪れてきます。それが日本という国の全体像(の一部)です。「(山地の直下型地震は)日本は国土の70%が山地で占められているから多いだけだ」という文章には、山地でなら地震が起きてもいいという悪意すら感じられます。産経新聞論説委員は、物理的に目の届く範囲だけが全世界だと思っていませんか? 地球は平らだとか思いこむタイプの人たちなんですか? 
 阪神淡路大震災のとき、「これが東京だったらもっと大変だった」「東京じゃなくてよかった」という無神経な言説が一部に見られ、被災地を中心に各地から反発を受けたことを記憶している人は多いはずですが、関西ブロック紙産経新聞は、今回それと同じ言説を垂れ流したのです。

中国企業?マナー無視の“サイバー攻撃” - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/it/internet/153923

 以下18日付。iza!がアタックを受けているそうです。DoS田代砲か、心当たりはずいぶんあるだろう、と思ったら、単に検索エンジンのクロール*1だそうで。たしか、Baiduが日本語サービスを始める少し前にも2ちゃんねるがクロールを受けて高負荷になったことがあるし(記事にもありますが、Baiduはその後態度を改めたようです)、マナー違反なのも事実なので、困ったものです。ただ、2ちゃんねるの例でいえば、米国系のask.jpが日本語サービスを始めたときにもクロールで迷惑をかけられたし*2Googleが突然猛烈なアタックをかけてきたこともありました。どちらかというと新興検索エンジンにつきまとう問題で、それをこういうかたちで報道をするのはiza!らしいな、と思います。

【正論】西岡力 制裁解除は「再調査」を見極めて - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/153958/

 被害者の帰国がないのに制裁解除は軽率だ、というのが産経周辺の論調のようですが、実行犯の引き渡しも拉致問題の進展であるという点をまったく無視していますね。
 対北朝鮮融和派の「妄言」への批判もわけがわからなくて、外貨獲得と比べて生存被害者の帰国が相対的に容易だというなら、経済制裁を受けても帰国させなかったのはなぜなのでしょう(横田めぐみさんは生存しているとわたしは「信じます」が、ここでは西岡氏の論理の矛盾を指摘しています)。

「オタク犯罪」に楔は打てるか 宮崎死刑囚執行 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/153946

 産経watchネタはこちらで扱います。なんだこの見出しは。読んだ範囲では、今回これがいちばんひどい記事でした。「納得できる真実が本人の口から語られる前に処刑されてしまった」という主旨の、SANKEI EXPRESS掲載の無署名記事です。連続殺人鬼の心理を、本当の意味で理解できる人間はいません――「連続殺人鬼はその時点で人間ではない」と定義した上で――。そこに「わかりやすい真相」を求めることに、なんの意味があるのでしょうか。

産経抄】6月18日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/153945/

 と思ったら、記事ではなくコラムですが、こっちの方がひどかった。M君への執行から死刑存続論を唱えているようですが、一文ごとにツッコミ可能という、ひさしぶりに産経抄らしい産経抄を見せてもらって、少しだけ気が晴れましたよ。嗤うしかない馬鹿を見て

*1:サイトの情報をかたっぱしから掻き集めること。記事は「コピー」と表現していますが、これも微妙に悪意を感じるような。

*2: http://d.hatena.ne.jp/pr3/20050301/1109648247 参照