黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、熱誠の提言をする。

 平成20年を迎えて、雑誌「諸君!」7月号は「平成の皇室に望む」なる特集を組んだようです。われらが古森義久氏も、短いながら文章を寄せています。

平成の皇室に望む――もっと「日本」を!!! - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/596328

 って、え? いや、「中国とはなにか」の(2)は? 同じ雑誌に2本寄稿して、それぞれ別々に紹介するというのも、ファンに気を持たせる心憎い演出ですね。
 さてその「諸君!」7月号特集に寄せられた、皇室に対する古森氏の「熱誠の提言*1について。英王室の例を引いて、皇室が日本の軍事に、あるいは広く政治・外交に関わろうとしないことに関して不満を述べる提言でした。ここまではあるていど予想できたし、象徴天皇制の制約は踏まえているようなので理解できる範囲なのですが、皇室が日本の伝統文化を受け継ぎ広めることに不熱心であるかのように言っているのは、すこし驚きました。
 人前に出せる和歌をきちんと詠める若い日本人が、どれだけいますか? 皇族として生まれ育った親王殿下方や各宮家の殿下方はもちろん、民間から嫁した妃殿下方も、きちんと歌道を踏まえ書のかたちにして、毎年発表されていることは周知の通りです。こういうのは「日本の伝統文化を学んだ」とは言わないのでしょうか。あと、いくら自分が柔道好きだからって、皇族に柔道などの武術をやれって。あんなのは下々の侍どもに任せておけばいいものです。
 ひとつ注目しておきたいのは、古森氏がここで「日本の国家」と「日本という概念」を区別して、皇室が後者に関わられることを望むと明記している点です。ということは、実は古森氏にも両者の区別はつくんですね。にもかかわらず、ふだんはその区別がつかないような言説を垂れ流しているのは、やはり意図的に混同させているんだ、と判断せざるを得ません。
 まあなによりも、この文章で最大のポイントは、古森義久氏が他人に向けて「西洋かぶれ」を批判しているあたりでしょう。

*1:この表現は「諸君!」の見出しであって、古森氏自身がそう認識しているかはわかりませんが。