黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

小ネタ0602。

【主張】責任能力 裁判員にも分かりやすく - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/149625/

 「殺人時点では責任能力あり、死体損壊時点では心神喪失」というのは、異例な判決かもしれませんが、そんなにわかりにくいものでしょうか。裁判員に対して、「精神鑑定を無視して重罰判決せよ」と言っているようにしか見えないのですが。

【正論】村上和雄 JR事故生還者がみせた奇跡 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/149607/

 「愛は遺伝子を活性化させる」という村上氏の信念を元に、福知山線事故で意識不明状態から生還した方の事例を中心に、笑顔とか愛とか奇跡とかについて語っています。村上氏といえば「サムシング・グレート(=天理教親神様)」*1ですが、今回は直接そうした言及はせず、しかし疑似科学的というか宗教的な概念はたっぷり盛り込んだものになっています。とりあえず、この文中で村上氏は「意識不明状態」と「植物状態」の区別がついていないような、あるいはわざと混同させているような気がするのですが。
 「遺伝子が活性化」*2というのはいかにも疑似科学的な表現に見えますが、これは生物学では一般的に使われる言い方です(と思います。説明が面倒なので「セントラルドグマ -エヴァ」とかでぐぐって調べてみてください)。精神状態の変化が生理現象に影響する、つまりDNA鎖の活性化する位置が変わることも部分的には正しいのですが、なんだかねえ。

【科学】応用研究本格化 ナノバブル 小さな泡に大きな可能性 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080602/acd0806020828005-n1.htm

 また産経の紙面から似非科学の匂いが。中本哲也記者による記事です。海水魚と淡水魚を同じ水槽で泳がせるのは、πウォーターでも使われた手ですが、要するに0.9%の生理食塩水の中で動物が生きていられるのはちっとも不思議ではないというだけの話です。ただこの記事には、3%(海水並み)の食塩水で淡水魚が生きているとも書かれていて、これはどういう手品なんでしょうかね。「愛・地球博」でこんな展示があったのか……。
 この「ナノバブル」という単語自体にも、ちょっと反応してしまいました。最近の疑似科学業界で、ナノテクを持ち出すと賞品が売れるという一種のバブル状態を意味しているようにも読めますから。もっともそのバブルの中でもゼリ(ry

【社説検証】日中首脳会談 朝毎「未来志向」高く評価 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080602/chn0806020808002-n1.htm

 なんのつもりだか知りませんが、いまさら5月7日の日中首脳会談に関する各紙社説を、津田俊樹論説委員が検証していず。月一掲載コラムなのかな。
 ひとつひとつに対しては踏み込みが足りませんが、よけいな偏見もあまり見られず、全国紙5紙にひととおり触れているだけ、立川優記者よりはマシですね。


以下、産経以外。

児童ポルノ:被害者1696人特定できず 07年検挙事件 - 毎日jp
http://mainichi.jp/select/today/archive/news/2008/06/02/20080602k0000m040116000c.html

 毎日は児童ポルノ規制にあいかわらず熱心ですね。身元を特定できない≒年齢を特定できない≒児童(18歳未満)と断定できない、ということです。どう見ても児童だという場合ももちろん多いのでしょうが、日本国内で製造罪に該当する高校生などの援交ものでは、特定できず検挙できないことが多いわけです。この記事自体は、規制反対派にとって良くも悪くもないニュートラルなものですが、覚えておくとなにかの役に立つかもしれません。

告知 - 発狂小町
http://d.hatena.ne.jp/komachimania/20080530/p4
説明 - 発狂小町
http://d.hatena.ne.jp/komachimania/20080531/p2

 やや旧聞に属しますが、YOMIURI ONLINE内のQ&A掲示板「発言小町*3」ウォッチで知らんやつはモグリの「発狂小町」さんが、読売新聞社からの削除依頼によって閉鎖することになったそうです。読売はネット記事転載の著作権にうるさくて、いちおうそれは正当な言い分なのですが、まとめサイトごときにまでクレームってどうなのかなあ。はてな事務局の中立的な態度とkomachimaniaさんの潔い態度が印象的な出来事でした。長い間、おつかれさまでした。

*1:6/2 恥ずかしい記述ミス訂正。コメント欄参照。

*2:この場合、正確には「遺伝子」ではなく「DNA」と表現するべきでしょう。普通の文系のコラムなどで、文化的遺伝子を「DNA」と表現することが多くて困るのですが、珍しく逆のパターンです。

*3: http://komachi.yomiuri.co.jp/