黙然日記(廃墟)

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産経野口記者の賢さ。

専守防衛に空白 クラスター爆弾全面禁止合意 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/148948

 各所で話題になっている、野口裕之記者による解説記事です。
 リード部で「不発弾による非戦闘員の殺傷多発は痛ましい。だが、国家・国民の安全が損なわれる事態も悲劇ではないか」と述べているところから、いきなり「あたまがわるい」という印象を受けます。専守防衛を前提にすれば、それはクラスター爆弾を日本国内で使うことを意味するわけですから、不発弾で殺傷されるのは日本国民です。この場合、「国民の安全が損なわれる」とは言わないんでしょうかね。あとは本土決戦を想定して戦術上クラスター爆弾が必要であることを説いていますが、想定自体がおかしいですね。
 しかし、こうした論理展開が異常なものであることは、実は野口記者もわかっているのだろうと思います。実は上記の指摘、あるいはわたしが見落としている異常な論理も他にあると思いますか、これらは前提条件を入れ替えれば、(軍事上は)問題にならなくなります。
 専守防衛という前提を外した場合。つまり、他国に攻め込むことを想定した場合です。たとえば、集団的自衛権を持ち出し米軍と共同して北朝鮮に攻め込む、といった場合ですね。見出しを含め、この野口記事はところどころ、「専守防衛という思想こそが間違っている」という考えを匂わせています。この記事そのものにツッコんだら負け、という状況を作って世論を盛り上げようとするあたり、野口記者は実はたいへん頭のいい人なんだろうと思います。性根が腐っているだけで。