古森義久氏、街宣す。
四川大地震の震源地近くには核兵器製造基地が集中――では放射能漏れは? - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/581663
昨日のエントリ*1で、石原慎太郎氏の「四川省は原爆のメッカ」発言を紹介して疑念を呈したら、入れ違いのように古森氏から詳しい状況説明のエントリが発表されました(石原発言へのフォローだとは特に明記されていませんが)。これによれば、四川省に核兵器用プルトニウム関連施設が集中しているのは事実なのだそうです。「四川省は中国軍の核戦力にとって最重要地域だというのです」という表現は、とてもわかりやすい上に穏当でもあって、古森氏の文章力は少なくともどこかの元小説家よりは上であるようです。
四川地震 核施設の安全をアピール(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080518/chn0805182017010-n1.htm
いや、いくら安全宣言が出されても、古森氏が心配するのはよくわかります。中国の軍事関連ともなれば日本の原発業界・行政の隠蔽体質を上回る情報統制がされているはずですから*2。地震と原子力施設といえば、新潟県中越沖地震のとき、当時の安倍首相は即日現地入りして柏崎刈羽原発を視察し安全を確認したのに、実は微量の放射線漏れを起こしていたとその後になって発表されたのは、まだ記憶に新しいところですし。
それにしても、古森氏のblogエントリにしてはやけに綿密な書き方だなあ、直接金にならない文章をこんなに丹念に書く人だったかなあ、、と思ったら案の定、最後にちょこっと、日経BPサイトのコラムを焼き直したものであることが紹介されていました。さすがにまるっきり同じではないですが。
米国が懸念する四川大地震での核兵器施設への被害 - SAFETY JAPAN
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/75/index.html
ところで、上で古森氏の文章力を相対的に褒めましたが、実際のところはどうでしょうか。このエントリは英文式に段落が明確になっているので、その段落それぞれの冒頭部から接続語と主語を中心に抜き出し並べてみました。
四川大地震の被害は
さてその一方、中国政府は
アメリカ側では
しかし四川省が
なぜ四川省に
四川省にはその
しかし四川省の
アメリカ政府の
同記事はそして
しかし前述のフィッシャー氏は
なおこのテーマについては
読み返すとき、目的の文章を探しながらスクロールしていったら、中程では目が回りそうになりました。しかし四川省は、なぜ四川省に、四川省にはその、しかし四川省の、四川省はー、四川省のー、四川省がー、四川省だー……。*3
*1: http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080520/1211285365
*2:最重要軍事機密とお役所事なかれ体質による隠蔽ではレベルが違うのは当たり前ですが。
*3:学園紛争時代の学生によるアジ演説あるいはその後の左翼系街宣について、その無内容さと独特のイントネーションを揶揄した「我々はー、我々のー、我々がー、我々だー」というギャグがあるのですが、固有名詞で置き換えてしまうとそのギャグの引用だということが(少なくとも字面では)わかりづらいので、註釈しておきます。ギャグの註釈って最低。