米大使、また要求する。

「日本も防衛費を増やせ」シーファー米大使 - イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/worldnews/146497
　大使は、判明している分だけで中国の軍事費は過去10年間で年平均14.2%増、韓国は73%増、米国も2倍増となるなか、日本の防衛費の今年度の対GDP比は0.89%になる可能性があると指摘。「北大西洋条約機構（NATO）や経済協力開発機構（OECD）のどの先進国よりも低くなる」と懸念を示した。

　これは大使がこのように並べたのか産経が都合のいいところを抜き取っているのかわかりませんが、どちらにしても比較として成り立っていない、おかしな文章です。そもそも日本のGDPが世界第2位の巨額ということを無視していますよね。
　2008年度の防衛関係費予算は4兆7796億円てす（2007年GDP 515兆7490億円に対して約0.92%）。前年比マイナス0.5%ですが、絶対値としては米ロ中に続き英仏と並ぶかやや上回る*1、世界第4位の軍事大国にすでになっております。シーファー大使は「それでもまだ足りない」と言っているわけですね。

シーファー米駐日大使、防衛費の増額を期待 - NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080520AT2M2001H20052008.html

　日経などの記事を見ると、やはり産経の書き方がおかしいようですが、シーファー氏の基本的な言い分も同じぐらいおかしいですね。
　かつて日本の池田勇人首相が訪仏したとき、製品輸出の話ばかりしてきたので「トランジスタのセールスマン」と評されたことがありましたが、シーファー大使もなんかいろいろ売り込みたい人なのでしょうか。

*1:参照 http://dataranking.com/table.cgi?TP=go05-1&LG=j&FL=&RG=0 (2004年、ロシア含まず） http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/2003def-sai-axx.htm (2001年)など。2004年当時からはドル安が進み日英仏の米ドル換算額がそれぞれ増えているはずで、順位がどうなっているかわかりませんが。