黙然日記(廃墟)

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産経木村記者、愛国的になる。

【土・日曜日に書く】木村正人 「JAPAiN」の特効薬
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/145814

 産経新聞ロンドン支局長の木村正人氏については、ロサンゼルス支局長松尾理也氏と並んで産経の海外記者の中ではまともと評価していたんですが、ちょっとそれも怪しくなってきました。まあ、相対評価絶対評価の食い違いというか、鳥無き里のコウモリというか。この表現は別の記者の方が似合いそうですが。
 以前から木村氏は記事の中でも英国「エコノミスト」誌への言及が目立っていたのですが、今回はその集大成といったおもむきです。「エコノミスト」は、なにを間違えたのか日本では産経新聞社とタイアップしているので*1、産経の同誌礼賛はすこし割り引いて読まねばならないのですが、それにしてもあまりに論調を気にしすぎです。それだけに、同誌の表紙に「JAPAiN」(日本+痛み)と書かれたことはショックだったらしく、これは木村氏に限らず産経の紙面全般に、ショックが表われていました。産経抄*2・「正論」*3などでも騒いでいました。
 前「エコノミスト」編集長ビル・エモット氏の記者会見で、木村記者の冷静な分析を踏まえた質問に対し、「きみは産経記者ならもっと愛国的に」とからかったエモット氏に、よほど感銘したようです。そうやって外部の影響を受けつつ、産経の記者はアレになっていくのかなあ、と思わせるようなコラムでした。
 考えてみると、木村氏が相対的にまともと思うようになったきっかけは、例の「フィナンシャル・タイムズ」の記事「武士道ではなく卑怯者だ」の翻訳で、木村氏が正しく訳した記事を湯浅博記者が恣意的に誤訳していた一件で決定づけられたのですが、考えてみたらそれって最低限度まともだったってだけの話だしねえ。追記:コメント欄でBehemothさんにご教示いただきましたが、単行本『やばいぞ日本』ではこの誤訳をこっそり修正してあったそうです。