黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、利権構造を保持する。

【主張】著作権ビジネス 競争だけでは健全さ奪う - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/140429/

 産経「主張」欄には、「なにか他紙とは違う面白いことを書かねばならない」という義務感でもあるのでしょうか。場末のブロガー(わたしのことです)にはよくある態度ですが。
 今回の立ち入り調査について、公取委にはGJ!!!JASRACに対してはざまあみろとしか言えないのですが*1、産経はなにを言いたいのでしょうか。
 最初、この文章の主旨がよくわかりませんでした。行きすぎた著作権保護は文化の自由度を奪うという、ネットユーザやアマチュアクリエイターが共有する懸念を指摘しながら、見出しにもあるように、独占的な著作権管理を肯定するような記述もしています。
 何度も読み返してみて理解できた範囲では、どうやら、著作権管理に競争を導入すると管理が強化される、という主旨らしいのですが、ではどうすればいいのかの解答がありません。JACRACが現在行っている音楽放送使用料のやり方では、利用者(放送局)は便利ですが、著作権者の権利がきちんと守られているかどうか、まったく不明なのです。この件に限らず、JASRACのやり方は、「利用者の権利を守る」という発想がまったくないのはもちろん、「著作権者の権利を守る」のですらなく、「(著作権者の代理人としての)自らの利権を守る」ことだけを考えているとしか見えません。そして産経「主張」も、懸念を示すふりをしながら、この利権構造の継続を支持しているようです。
 日経の社説はさすがにまともなことを書いているので、産経の担当者は是非読み比べてみてください。

社説1 ネット時代の音楽著作権管理めざせ(4/25) - NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20080424AS1K2400324042008.html

*1:JASRACの問題はこれだけではないので、公取委もしくは捜査機関には、さらなる調査が望まれるところです。