黙然日記(廃墟)

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産経文化人の終焉。

【コラム・断】“CHK”教育テレビ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/dan/139841

 潮匡人氏が暴れています。この人はたいてい、内容はともかく文章としてはまともなものを書いているのですが、たまにこうして明後日の方角に向かうことがあって、わけがわかりません。「これじゃ中国放送協会教育テレビだ」という見出しのネタはオチの部分で、前半は4月6日の同コラム「断」に向けられています。

【コラム・断】日本のオトナの嘘 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/dan/135582/

 久坂部羊氏はこの連載で何度も、医師に理不尽なクレームをつける患者=“モンスター・ペイシェント"の問題を取り上げ、産経新聞が連載企画『やばいぞ日本』で強調した“モンスター・ペアレント"と並ぶ流行語を生み出しました。そういうわけで産経べったりの人なのかと思っていたら、この4月6日の「断」では、「戦争放棄は世界に誇れる条文」と憲法九条を全面的に肯定し、それに矛盾する自衛隊の存在を「“オトナの嘘"の最たるもの」と断罪しました。あまりに強烈だったのでわたしは、他の人に「いや、お前が読み間違えたんだ。九条の方を建前だと言っているに決まってる。産経にそんな文章が載るわけないだろう」と言われると、なんとなくそんな気分になってしまっていました。今読み返してみると、たしかに自衛隊の存在の方を批判しているし、潮氏も同じ意味に読んだようです。
 たしかに産経に載る文章としては信じられないのですが(今でもまだちょっと疑っています)、潮氏の「朝日新聞投書欄のごとき駄文」という表現もどうなのか。久坂部氏の名を明記していないのも、直接攻撃を遠慮したわけではなく、名前を書くのもいやだったのだろうな、と思わせてしまうあたり、なんで潮氏ともあろう人がこんな幼稚な文章を書くかなあ、と哀しくなります。
 産経文化人に、もうまともな人は残っていないのでしょうか。相互に建設的な批判をするならともかく、内ゲバレベルの攻撃を始めるようでは、もう末期状態です。内ゲバを装って耳目を集めようとするなら、それもまた末期状態です。日本の右派に、もうまともな言論人が残っていないということなのでしょうか。一方で知的レベルのあまりに低いコピペなみの右派言説が支持を集めており、一方できちんと筋を通して右派言説を理論づけられる人がいなくなってしまったなら、これは(中道や左派がどんなにがんばっていたとしても)日本の言論界が崩壊状況にある、ということでもあるのです。