産経抄、身体感覚を失う。
【産経抄】4月22日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/139502/
今日の『産経抄』は、若者の、特にネット上での怒りの表明や罵倒語が、身体感覚から遊離している、という指摘から始まります。その例として、日本における学校裏サイトの問題から、米国で中国人学生が売国奴呼ばわりされたという事件*1に話を進めていきます。ふむふむ、どこの国でも同じだなあ、と思いつつ読み進めると、途中からネット上の中国語空間だけの話に切り替わってしまい(しかも実際には見ていないのです)、その原因を「政府が植え付けた自国中心の愛国主義」に求めるという結論に至ります。
「どこの国でも同じだなあ」とは思わなかったのでしょうか。
というか、産経自身が「自国中心の愛国主義」を推進し、ネット上の排外主義を(結果的にせよ)後押ししていることを、まさか忘れているのでしょうか。そういうわけではないだろうと思います。忘れているのではなく、「あっちの愛国主義」と「こっちの愛国主義」は別物だと考えているのでしょう。よくネトウヨが揶揄に使う言い回しを流用すれば、「産経の愛国主義はきれいな愛国主義」というやつです。
こういう言説で他人を批判して、自分が痛いと思わないのは、産経抄子こそ身体感覚を失ってるのではないでしょうかね。
なお、社説の方でも同じテーマで、同じエピソードを紹介し、同じ結論を導いています。自分が身体感覚・バランス感覚を失ったことが、よほど嬉しいようですね。
【主張】中国「愛国」デモ 五輪壊す過激な民族主義 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/139512/