黙然日記(廃墟)

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産経「正論」の遊戯気分。

【正論】櫻田淳 「遊戯気分の政治」を越えよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/139252/

 国会議員が「国民生活のため」と唱えるのは実態から遊離した遊戯に等しい、という吉野作造の言葉を引いて、現在の政治も同じだ、と論じています。論じるといっても、ひたすら民主党批判で、ねじれ国会を招いたことを国民は自省できるだろうとか、どこまでも与党に都合のいい発言が続きます。
 吉野作造といえば大正デモクラシーを代表する存在であり、大正デモクラシーとはおおざっぱに言えば、金持ちしか選挙権がない当時の仕組みを改めて普通選挙を求める運動であったことは、これは桜田氏の世代であれば確実に小学校で学ぶことです。金持ちの代表が国民生活を論じているところが遊戯的なのであって、これを現在の普通選挙制度下の政治に当てはめたところで意味がありません。まあ、民主党の実質No.2も公開資産だけで20億円前後という金持ちではありますが、それを言ったら現内閣のNo.2(副総理が任命されていない場合は法務大臣)もほぼ同じぐらいの資産家です。
 ここでの桜田氏の肩書きは「東洋学園大学准教授」となっていますが、本人blogのプロフィール欄*1には「衆議院議員政策秘書」とあって、少し調べると愛知和男自由民主党議員の秘書であることがわかります。なぜかプロフィールでは親分の名前を隠していますが。愛知議員の経歴を見ると、小沢一郎民主党代表の反感が強い人であることがわかります。こうした自民党議員の政策秘書による民主党批判を「正論」として掲げる産経新聞は。……そろそろ、皮肉のためのボキャブラリも切れてきたので、産経新聞はあいかわらず自民党の広報機関であることを越えられないんですねとひねりもなくまとめておきます。