引き続き「靖国」上映問題。
他に取り上げたい件も溜まっているのですが、動きが大きいのでまずこちらから。
「靖国」大阪で5月上映 「映画館を議論の場に」 - asahi.com
http://www.asahi.com/culture/update/0403/TKY200804020379.html
映画「靖国」:大阪「第七芸術劇場」など予定通り上映へ - 毎日jp
http://mainichi.jp/enta/art/news/20080403k0000e040022000c.html
大阪・第七芸術劇場、京都・京都シネマ、広島・広島サロンシネマに、心からの拍手。東京でも新たな上映の動きがあるそうです。
一方、名古屋で5月から上映を予定していた映画館は、上映中止の可能性を含めた延期を決定したそうです。朝日記事によると「同館には政治結社から上映を見合わせるよう要請があり、2日までに話し合いをしたという」とのこと。これについてはコメント欄でtekkaさんに情報をいただきました。「政治結社」というのは日本会議だったようです。
「靖国」映画五月上映中止決定 名古屋シネマテーク - 草莽の記 杉田謙一
http://plaza.rakuten.co.jp/seimeisugita/diary/200804020001/
「上映」と「放映」の区別もつかない人間が映画館に乗り込んで、どんな交渉をしたのでしょうか。記述を読むかぎりでは、相手の専門知識不足を過剰に責め立てて“反省"するまで許さない、かつての部落解放同盟による糾弾行動を思わせるやりとりだったようですが。靖国神社に参拝したことがなかったら『靖国』を上映しちゃいけないんでしょうか。宇宙戦争に参戦したことがなかったら『スター・ウォーズ』を上映しちゃいけないんでしょうか。これは極論にしても、たとえば「介護の経験がなければ介護ドキュメンタリーを上映できないのか」という疑問ならどうでしょうか。
「無論上映となれば断固抗議行動を徹底し」と上記blogにはありますが、交渉の場でも同じことを言ったのでしょう。“徹底的な抗議行動"のニュアンスがどう伝わったのか。また、関係者(映画館関係者含む)向けの一般的な試写会と国会議員向けの特別試写会しかまだ行われていない映画の内容を、この人が詳細に知っている(ような言動をとっている)のも不可解です。
この人はプロフィールによると「日本会議愛知県本部西三河支部幹事長」だそうです。『絶対可憐チルドレン』で、作中のテロリスト集団“普通の人々"の内部情報が提供され「それで北練馬支部は壊滅するはずです」「範囲狭いなそれ!?」というギャグがあったことを思い出しました*1。西三河も北練馬もたまたま縁のある土地なので、西三河が広いことはわかりますが、人口で比較するとどうだろう。倍の開きぐらいじゃないだろうか。