日本最強の存在は街宣右翼である。
映画「靖国」公開白紙に 上映館全て辞退 トラブル警戒 - asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0331/TKY200803310328.html
街宣車とスピーカーと兵隊数人を抱えていれば、どんな無理でも通せる。日教組も反日映画も敵ではない。君も明日から街宣活動に参加しよう。マジお勧め。
いいわけ。(13:57)
午後になったのでネタばらしします。思っていた以上にみなさんのリアクションが大きくて言いづらいのですが、上記の記述はエイプリルフールのつもりでした*1。いつもこのぐらいの反語は使っているので、ネタだと思われなかったんだろうか。ネタにしていい事件なのかとか、それだけ皆さんの怒りが大きいんだとか、いろいろ考えさせられました。すみません。
昨年の4月1日に産経iza!の会員になりblogを開設したときも、告知がネタだと思わせて実は本当だった、というネタをやったつもりだったのですが期待していたリアクションがなくて、どうもわたしはジョークのセンスがないようです。来年はやりません。たぶん。
ここから本文。
で、まあ、記述はネタですが、内容は(反語として)本気のつもりです。"terrorism"の原意が「恐怖を与えて政治的主張を通す主義」だということを思い起こせば、これはまさしくテロ事件です。「テロとの戦い」を標榜する自民党や産経新聞社などは、先頭に立ってこういう輩と戦ってほしいものです。
この件で劇場側を弱腰といって責めるのも一理ありますが、法に従わなかったグランドプリンスホテル新高輪の件とは違い、(今のところ)倫理的な問題でしかありません。それも、観客や周辺の保護という別の倫理と衝突する問題です。一般の市民は単独で暴力に立ち向かうことができないことを踏まえて考えるべきでしょう。いちばん悪いのが街宣右翼、次にそれに口実を与えた稲田議員他の議員連中、そして煽り立てた一部メディアということになるでしょうか。「こういうクレームを付ければ自動的に頭の悪い連中が動き始めるはずだ」と計算していた、もしくは、なんらかのルートで彼らに指示を出していたのなら、この順序は入れ替わりますが。*2
各紙報道。
今回中止を決めた銀座シネパトス(東京都中央区)を経営するヒューマックスシネマによると、3月20日過ぎから街宣車などの抗議を受けたことなどから、27日にアルゴに「降りたい」と伝えた。「お客さんや近隣の店への迷惑もあり、自主的に判断した」という。
上記の朝日記事は、街宣右翼の騒擾活動により上映中止を決めたという映画館側の話を伝えています。あらたにすによると、朝刊1面で2番目の扱いだったようです。
映画「靖国」、東京での上映中止・配給会社「言論の危機」 - NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080401STXKB067431032008.html
日経は例によって事実のみですが、見出しで配給会社アルコの意見を伝えているのが目立ちます。
映画:「靖国」上映、映画館が相次ぎ自粛 - 毎日jp
http://mainichi.jp/select/today/archive/news/2008/03/31/20080401k0000m040114000c.html
銀座シネパトスを経営するヒューマックスシネマは「上映中止を求める電話がかかったり、周辺で抗議行動があった。近隣や他の観客に迷惑がかかるため、中止を決めた」としている。一方、Q−AXシネマの営業責任者は「具体的な抗議や嫌がらせはないが、不特定多数の人が集まる施設なので、万が一のことがあってはならない」と、上映見送りの理由を語った。
毎日の記事では、このコメントから街宣問題が背景にあることは推測できますが、直接は明記していません。
日中合作の記録映画「靖国」、相次ぎ上映中止に - YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080331-OYT1T00594.htm
最初に助成を問題視し、試写会に参加した自民党の稲田朋美・衆院議員は「我々が問題にしたのは助成の妥当性であり、映画の上映の是非を問題にしたことは一度もない。いかなる内容の映画であれ、それを政治家が批判し、上映をやめさせるようなことが許されてはならない」などとする談話を出した。
読売は、稲田議員の言い逃れをきっちり紹介しています。やはり街宣右翼への言及はありません。
映画「靖国」東京での上映中止 一部政治団体が働きかけの動き - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/movie/134148