黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

歴史修正主義反対リング参加者として。

 abesinzouさんからコメント要請が来たのですが、エントリ&Trackbackに代えさせていただきます。んーと、http://d.hatena.ne.jp/abesinzou/20080322 このへんですか。正直を言うとabesinzouさんのことはよく存じ上げないのですが、相手の方はまあブロガーとしては有名であり、他にもいろいろ有名であり、少なくともわたしより早くからはてなダイアリーで活躍されている方なのに、なんでいまだにこうかなあ、というのが正直な感想です。
 まあなんつーか、双方大人げないな、と。削除予定キーワードの指定と解除が二往復になったら、それ以上続けるのは子供のやることかと思います。ヒント:削除予定キーワードのルールは「7日以内に編集されなければ削除」です。ヒント2:たとえばMy Yahoo!のカレンダー(スケジューラ)は「期日指定して(たとえば6日後に)自分宛に備忘メール」という使い方ができます。ヒント3:逆もまた真なり。*1
 はてなダイアリーキーワード(あるいはwikiのたぐい――Wikipediaに限らず――)というのはネットの共有財産なので、(はてな市民なら)自由に書き込めますが、決して私物ではありません。blogは違いますね。見るだけならネット上の共有財産ですが、エントリ内部は本人以外不可侵の私物です*2掲示板の書き込みログを全体でひとつのコンテンツと見た場合、#333を書き込んだのは自分ですが#332と#334は別の人が「同じように」書き込んだもので、それぞれが反対の意見を述べていても、お互いに等価として扱われます。ということは、#333のレスはゆるぎない自分の書き込みとして残り、かつ議論の過程も残るわけです。それらに対して、キーワードやwikiは本質的に、「自分の文章がそのまま残らない」ことを前提に書き込まなければならないので、私物としての性質はまったくなく、徹底して共有財産として存在します*3。私物ではないのですから、変更されたからといって機械的に自分が書いた元のバージョンに戻そうとするのはばかげています。あるキーワードに関して、たとえば(あくまでたとえばですよ)「ウヨクによる歪んだ歴史認識」という解説と「サヨクによるレッテル貼り」という解説があった場合、お互いを消して自分のものを残そうとするのではなく、「サヨクから見れば歪んだ歴史認識であり、ウヨクから見ればレッテル貼りである」といった具合に止揚できるのが、キーワードやwikiのメリットであるわけです*4。該当の単語を使うのがサヨクだけだった場合、「ウヨクからはこう見えるのか」と気づけるのも、集合知のひとつのメリットであるでしょう。あと、いくらなんでも書けるからといって、共有財産上で個人攻撃をするのは論外てす。
 「keyword:頭が悪い」なんかは、うまくやりようがあるんじゃないかなー。「keyword:あたまがわるい」を作って転送するとか。「あたまがわるい」の解説としては「はてブで頻出のタグ。頭脳がよろしくないこと」とかにすればいいわけで。……こういう和平案をいちいち考えちゃうあたり、自分はかなりチキンだなあ、と思ったりもするわけですが。ネットでの論争ってのをもう10年(HEX)以上やっていると、まとめられる部分はまとめちゃおうとかその方が疲れないよなとか、よけいな知恵がついてしまっていけませんね。

ガイドライン

 この件と直接関連あるのかわかりませんが(関係ないわきゃないとも思いますが)、はてな削除ガイドラインが改訂されましたね。

080318情報削除ガイドライン改定 - はてな
http://url.hatena.ne.jp/G7ER5

 ネット言論での名誉毀損というのは10年(DEC)以上前から法律問題になっていましたが、「侮辱」が持ち出されるのはわりと新しいのではないかと思ったりします。1ヶ月ほど前に自分もある方から詳しく教えていただいて、ああそういえばそういう概念もあったな、と思い出したぐらいで。ただこれは、言論の場に持ち出すと危険な概念じゃないかなあ、と思わないでもないのですが……。
 あらためてはてなガイドラインを読んだわけですが、改定前を含めて、たとえば安倍晋三衆議院議員を「壺三」と表現することも「名誉毀損」と解釈されそうな気がします。安倍氏と壺カルトのつながりについて、確信があるのか、法廷で争えるのかと言われると、ちょっと自信がありません。ネット上の名誉毀損については新しい判決が出ましたが*5、ハードルは下がったもののネット外の情報を調べてからでないと成立しないもののようですし。もっとも、祝電などは事実だと信じるに足る根拠があり、少なくとも公人に関しては広く伝えられるべきではないかという信念はあるのですが。

唐突に自己紹介。

 文脈とまったく関係なく、ここでいきなり自己紹介を始めます。プロフィールに「少女マンガ好き」と書いてあり実際に初期は少女マンガ関連ワードばかり編集していましたが、ある時期まではSFマニアでした。好きな小説家と尊敬する人物は筒井康隆、最初に自分で買った少女マンガは「パタリロ!」(少女マンガの定義についてはまた別に議論するとして)。SF界には、横田順彌氏とかDAICONフィルムとか、伝統右翼的なことを言い出す人もわりといるのですが(しかし最近の石原博士はいったい……)、発想の根本というか本質のところに「価値観の相対化」というテーゼを内包しているので、少なくとも今の基準で言えばリベラルに分類される思想の持ち主が多いのですね。だからといって左翼というわけでもありません。あえて言えばシニシストが多いかも。
 プロフィールで思い出したけど、この黙然日記専用のメールアドレスを作ったので、コメントに書けないような連絡がある方は「pr3hatenaあっとじーめーる.こむ」まで。ただし、オープンにできる内容だと思ったらコメント欄等で返答してしまうこともありえます。

お詫びと補足。(3/23)

私の考え方 - 従軍慰安婦の深層
http://d.hatena.ne.jp/abesinzou/20080323

 上記本文に対するabesinzouさんのエントリを受けて。本文中、abesinzouさんの更新過程については事実誤認がありました。申し訳ありませんでした。また、「大人げない」というのも表現が悪かったかもしれません。
 ただ、「元のバージョン」でなくても「自分の意図に合わせる」ことについては、冷静になるべきだろうと思います。これはキーワード編集に限らずネット上のコミュニケーション全般について当てはまりますが、相手の行為に対して即座に反応すると、炎上を煽るだけです。間違った記述を訂正するなとは言いません。しかし、数日放置しておいても、実はどうということはないのです。はてなダイアリーキーワードは年単位で放置されているようなものも多いので(メンテしなきゃなあ、と思っているのですが)、そういう視点でのんびり構えておけばいい、と思っております。この文章も、書いてから半日ほど寝かせてから、読み返し手を加えた上で公表しています。そういう意味で、双方が「大人」になってほしい、相手が子供に見えても自分は大人の態度を守ってほしい、と望みます。たまたま修正前のキーワード解説を見てしまった人が誤解する可能性を恐れるのはわかるのですが、数日だけでそういう事態が発生する確率は低いし、そもそも、たまたま一度見かけた一つの解説だけで判断してしまう人は、必ずどこかで誤解するでしょう。
 この議論では、やはりWikipediaとの比較が多くなるのですが、はてなダイアリーキーワードWikipediaである必要はないと思っています。一般論としては、厳密にNPOVや出典を要求されているわけでもなく、日記/blogで言及される形について説明できればいいのですから。ある作品について「面白いという声が多い」とか書くと、Wikipediaでは{{要出典}}を貼られてしまいますが(そして一般のblogはほとんどソースとして認められないのですが)、はてなダイアリーでそういう用例が実際に多ければ、キーワードには書いてしまってかまわないと思っています。
 ただ、学問上のクリティカルなテーマについて、出典なく書いてしまっていいのかは、またちょっと別の話です。この場合はキーワードがblogと同じ働きをするので、アニメの感想を印象から書いてしまっていい場合と、学問的な論争をする場合では、要求される出典の必要度がおのずから違ってくるでしょう。

*1:この「二往復」以下は適当に経験から書いたんだけど、読み返してみたらWikipediaの3RVルールですな。

*2:それゆえに、コメント・トラックバック・またはブクマコメントで批判を受け付けることが重要なのですが、世の中には「批判は許さないが自分の意見は述べたい」という人が少なからずいるようで、驚いてしまいます。

*3:ここんとこも、WikipediaGFDLを採用している本質的な理由なのだなあ、と改めて気づかされます。実際に編集作業していると、あれは面倒なだけなのもたしかですが。

*4:もちろん、この例が適切な止揚になっているわけではありません。単に「丸く収めた」レベルであって、やはり学問的または客観的な定義を記述するのが正しい解決でしょう。

*5: http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080301/1204366522