古森義久氏、主語を混乱させる。
チベット民族が殺される――中国当局の弾圧にアメリカも非難を重ねる - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/513248
米国の民間短波ラジオ局(米議会が一部出資している)であるRFA(Radio Free Asia)*1 *2がチベット騒動について詳細に報じており、その内容を古森氏がいち早く紹介しています。英語か該当言語がわかればRFAのサイトは有力な情報源のひとつになるので、この紹介はありがたいですね。
しかしRFAを、「アメリカ議会からも経費の一部が出ている民間の独立した放送局」と紹介しているのはどんなもんでしょうか。引用した文章だけで矛盾していると思うのですが……。米議会が「金は出すが口は出さない」的な存在であると言いたいのでしょうか。それならそれでけっこうなことなのですが、そうなると見出しで「アメリカ」を主語にしている意味がわからなくなります。わたしは「アメリカ」と「アメリカ合衆国」は分けて考えるべきだと思っているので*3、ほとんどの場合「米国」と表記していますが、古森氏の普段の用法では、また一般的な用法でも、「アメリカ」とあればアメリカ合衆国のことですよね。米国(議会)の意志がRFAのチベット報道に反映されているのか、いないのか。チベット擁護・中国政府非難で結果的に一致するとしても(そうなるのが当然だとは思いますが)、アメリカ合衆国議会または政府の意志がここに示されているのかどうかは重要な問題なので、明確にしていただきたいところです。
*1:RFA http://www.rfa.org/english/ アジアの複数言語のページがありますが、日本語はありません。弾圧されている人々に伝わる言語で放送しているから当然といえば当然ですが。
*2:古森氏はRFAを「ラジオ自由アジア」と訳していますが、北京語・広東語版では「自由亜州電台」となっているので、日本語でも「自由アジアラジオ」とかがいいんじゃないかなあ。よけいなお世話ですが。Wikipedia日本語版では「自由アジア放送」から「ラジオ・フリー・アジア」に転送されていますね。
*3:これを言い出すと「日本」と「日本国」も別概念なのですが、これはいいかげんに使ってしまう場合が多いです。すみません。