黙然日記(廃墟)

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産経、人権擁護法に警鐘を鳴らす。

人権擁護法案 「お手本」韓国、お寒い実態 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/128845

 人権擁護法案反対の立場をとる産経新聞が、法案が成立したらこんな恐ろしい事態に! と警鐘を鳴らす、原川貴郎記者による記事です。
 すでに類似の人権擁護法が成立し運用されている韓国の事例が紹介されているのですが、なにが“お寒い"んだか、ちっともわからんのはわたしだけでしょうか。人権委員会死刑廃止の勧告からセクハラのケース認定まで行っていて、一部が訴訟沙汰になっているとか、イラク戦争について大統領と違う判断を下したとか、良心的兵役拒否の認定・公務員の政治活動を許可・デモの場所制限などを撤廃などを提言したとか、北朝鮮は調査対象に含まれないと表明したとか、いろいろ列挙しているのですが、行政の中に独立性の高い人権監視機関があれば(少なくともわたしには)想定できる範囲の内容でしかなくて、この記事がなにを問題にしたいのかすらわかりません。民主主義国家の法体系とその厳密な運用は保守派にとって都合が悪いということしか読みとれないのですが、そういうことでよろしいんでしょうか。
 以上はこの記事に関する感想で、日本で現在提出されようとしている人権擁護法案についてそのまま賛成するという意味ではありません。以前に表明したようにまだ勉強中なので賛否表明は保留しておきますが、基本的に韓国と同じような人権委員会が作られるというのなら、大枠としては賛成できそうだなあ、現在(一部の)反対派が喚き立てているようなメディア・ネット規制や統制国家への道にはならないだろうなあ、ということを改めて思いました。韓国とはメディア規制のあり方なども違うので、もちろん単純に比較できないとは思います。そもそも、産経の記事を参考に政治的な判断を下すのは大間違いですから(笑)。