産経、世論調査の結果を読めず。

新テロ法の再可決、「問題」5割「肯定」4割　世論調査-イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/115798/

　FNN・産経合同世論調査の結果を報じる記事です。なんか見出しとしては微妙ですね。普通は内閣支持率が真っ先に来るんじゃないかと思うのですが、iza!には現時点で、今回の世論調査に関連する記事はこれだけです（たぶん後でMSN産経と同じ記事が出るのだと思いますが）。質問項目と結果も羅列されているので、とりあえず参考にはなります。
　新テロ特措法がらみで野党の対応についてしつこく質問しているのですが、どうも思うような結果が出なかったようで（笑）。圧倒的なのは民主党小沢代表が採決を欠席したことについて「問題がある 77.0%」という結果ぐらいですが、これについては「よかった／問題がある」という設問自体がおかしいでしょう。「よくはないが問題にはならない」という回答ができないわけです。「問題はない／問題がある」という設問だったら、どういう結果になっていたでしょう。
　アンケートの詳細を先に見てしまいましたが、MSN産経に出ている、おそらくこちらがメインであろう記事はもっと変です。

内閣支持率微減　新テロ法成立、約半数が評価　本社・FNN世論調査 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080115/plc0801151200008-n1.htm

　この見出しと、本文に記述されたアンケート結果を比べてみてください。

福田康夫内閣の支持率は36.6%で、前回（昨年11月10、11両日実施）の41.1%から4.5ポイント下がった。

　1割以上も落ちたのが「微減」？　「激減」の間違いじゃないかと（これもオーバーな表現ですが）何度も見直してしまいました。不支持率(47.3%)と逆転したことも大きなニュースだと思いますが、一言も触れられていません。

新テロ対策特別措置法が11日成立したことについて、45.1%が「よかった」と評価し、43.8%が「問題がある」と答えた。

　これは普通、誤差の範囲で「ほぼ同じ」と表現するところだと思いますが、これが産経に言わせると「約半数が評価」になってしまうんですねえ。産経の記者が数字に弱いことには（一部で）定評がありますが、世論調査ともなると全力を尽くして誤読に励むのかもしれませんね。