黙然日記(廃墟)

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これでも古森義久氏を信じますか? 

「これでも朝日新聞を読みますか?」-ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/435424

 引用したエントリタイトルは山際澄夫氏の著書の題名で、この本を紹介するだけの内容です。山際氏は元産経新聞記者で現在は「WiLL」などに執筆する評論家。書いている内容はウヨコピペの元ネタみたいなものらしく*1、まあ要するに古森氏のお友達ですね。
 あいかわらず朝日叩きネタだとコメント欄の食いつきがいいようで、こういう商売はおいしいんでしょうなあ。しかしコメント欄を「今の時点で」ざっと眺めると、まったく話の流れが追えないので困惑してしまいます。眠れぬシーサーさんなどのコメントが削除されていることを(他にも被害者がいるかもしれませんが消えているのでよくわからず)、わたしは知っているからなんとか見当がつくのですが、知らずに見たらわけがわからないてしょうし、わけがわからないなりに異常さを感じるような流れになっています。古森blogでは議論が成立しない状況になっているわけです。「批判を許さない議論の場」というのは「議論が成立しない場」になってしまうことを、これほど如実に表している例もありません。
 ちょっと話が変わります。山際書のテーマにされている朝日新聞について。コメント欄でid:felis_azuriさんにご教示いただいたのですが、例の「マスコミの誤報を正す会」による質問状への各社回答が正式に公表されました*2

「11万人」集会 誤報指摘の公開質問状にマスコミ7社が回答
http://s04.megalodon.jp/2007-1229-0319-51/sankei.jp.msn.com/life/education/071229/edc0712290046000-n1.htm

 このタイミングでの正式発表は、教科書検定の結果が確定したのに合わせて、検定結果に誤報の影響があったことを明らかにするためだったようです。しかしそれなら、結果確定前に公表して影響を最小限に食い止めるようにするのがまともな態度だと思うのですが……まあ、こんなまともな論理が通じる人たちじゃないんでしょう。まあそれはさておき。
 このように朝日新聞は、難癖にしか見えない批判にもそれなりに返答しているし、誤報などがあれば謝罪も表明します。物理的に対応できないこともあるだろうし謝罪だって完璧とは思えませんが、少なくともわたしが知るかぎりでは、産経新聞が異常なほど謝罪訂正ということをしないのに比べれば、はるかに多くの謝罪文を出しています。一方、たとえば5月に起きた古森記者の誤訳捏造記事では、産経新聞として訂正を出しただけで謝罪はなく、署名記事であったにもかかわらず、古森氏自身の名前による訂正も、もちろん謝罪もありませんでした。
 自分は謝罪しない。他人からの批判は認めない。
 あなたはこれでも、古森義久氏を信じますか? *3

*1:さすがにコピペを本にしているわけではない、と思います。

*2:以前、阿比留瑠比氏のblogのみで公表されたことはありました。http://d.hatena.ne.jp/pr3/20071126/1196082447

*3:このエントリのもう一人の主人公である山際澄夫氏に関しても、ちょっとぐぐるだけで面白い話がいくらでも出てくるのですが、きちんとしたソースでうまく批評できなかったので、またの機会としておきます。