黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、中国の黒社会に警鐘を鳴らす。

中国の黒社会を暴く――かの何清漣女史の新著『中国の闇』が告げる中国の素顔:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/406890

 中国から米国に亡命した経済学者である何清漣氏の著書を紹介しています。「かの」とか言われても、そんな有名な人だっけ? という印象ですが。なぜこの本を古森氏が特にプッシュしているのかも、よくわかりません。米国在住の中国人学者が、産経新聞社の子会社 関連会社である扶桑社から日本語版書き下ろしの新刊を出すというのは珍しい話ですが、きっと誰かコーディネイトした人がいたんでしょうね。
 本の内容は、今の中国は共産党政権と黒社会(チャイニーズ・マフィア)が癒着して手を組んでいるから気をつけろ、というものらしいです。しかしこれは中国に限った話ではなく、統制経済から急激に自由化した社会にはよく見られる現象ですよね。現在のロシアもそうですし、50年前の日本もそうでした。広い意味での右翼が一方で保守の名を騙って政権を握り、一方で国粋を隠れ蓑に闇社会を形成し、お互いの利権と暴力を利用しあう体制は、隣国や半世紀前に目を向けなくても、現在そこにあることが、少し目端の利く人ならわかるはずなのですが。だいたいマフィアというのはどの社会でも、金と自己保身のために権力に接近したがるものです。もちろん、現在の中国はそういう社会になってしまった面もある、という点には十分注意するべきですが、中国だけの特殊事情で黒社会が跋扈しているという見方も、かなり強引ではないかと思われます。*1

*1:中国人が伝統的に権力や法律を信用しない傾向はよく指摘されることで、その意味での中国の特殊性というものはあると思いますが。