黙然日記(廃墟)

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産経記者、リタリンを誤用する。

リタリン」の鬱病適応除外 厚労省判断「遅すぎた」の指摘も…-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/104928

 産経新聞特集部・本多香保里記者による記事です。産経の医療・健康関連記事というとろくでもないという印象が強いのですが、やはりそうでした。記者自身の経験から、リタリンの服用に習慣性があり量が増えていく危険性を訴えています。それはその通りなのですが、このケースでは医者の指示がおかしかったか、指示を聞かずに勝手に服用していたか、どちらかだろうと思います。わたしの経験では、リタリンを処方される際には習慣性についてくどいほど説明され、休日など必要のないときには服用を止めて依存しないように気をつけろと厳命されていました。そもそも、3ヶ月で職場復帰できるタイプの鬱病なら最初からリタリンは必要ないので(一般的にはSSRISNRIなどの新しい薬の方が圧倒的に効果があります)、今回解除されたリタリンの適用は「鬱病」ではなく「難治性鬱病」なのですから、明らかに間違った処方や服用の経験に基づいてリタリンの害を言われても、「酒を飲んで運転したら事故を起こしそうになった、酒は危険だ」と言っていいるようにしか見えません。
 もうひとつ指摘しておきますが、「来年1月から処方されなくなる」とありますが、実際には10月26日からもう(鬱病に対しての)処方は止められています。

厚生労働省:塩酸メチルフェニデート製剤の使用にあたっての留意事項等について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1026-3.html

 いきなり処方を止められて困惑している患者は、記事に取り上げられた7人だけではなく、わたしを含め全国に無数います。厚労省のこの対応もかなりひどいと思うのですが、そういう点をジャーナリズムとして追求する気はないのでしょうか。


 リタリン問題についてはStiffmuscleさんが医学的知見を含めて詳しく解説してくださっているので、ぜひご覧ください。

[AD/HD] - Stiffmuscleの日記
http://d.hatena.ne.jp/Stiffmuscle/searchdiary?word=%2a%5bAD%2fHD%5d