黙然日記(廃墟)

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産経、忘れる。

【主張】民営郵政発足 改革の意義忘れぬ経営を-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/87477/

 郵政公社の民営化をいよいよ明日に控え、懸念を並べています。莫大な郵貯残高が民業圧迫になるのではないか、特定郵便局の改革も進んでいない、云々……。
 そんな問題は2年前の郵政選挙のときから指摘されていたことであり、財政投融資の問題を含めて、まず郵政の体質改善が先、そのあとで民営化しないと意味がない、というのが、いわゆる民営化反対派の主張でした*1。それを「とにかく民営化さえすればすべてうまくいく」と国民をミスリードしたのが、小泉のワンフレーズポリティクスであり、それを煽り立てたのが産経を筆頭とするマスメディアだったことを*2、この「主張」は都合よく忘れてみせているようです。
 産経の無責任体質はすごいなあ、と思いつつ次に「産経抄」を読んだら、思わず爆笑してしまいました。

産経抄】9月30日-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/87459/
政治家も忘れることの天才のようだ。1年前どんな発言をし、誰を支持したかなど忘れ去らなければ前に進めない仕事らしい。それはそうと、実にさまざまなことが起きた9月も今日で終わる。はて何を記憶し、何を忘れれば良いのやら。

 直接的には、自分たちが狂信的な安倍支持から540°ぐらい一気に手のひらを返したことを忘れてしまいたい、ということなのでしょうが(それにしても末尾の一文は、かなり本音が漏れているっぽいですね)、1年前のことを忘れているなら、2年前の主張なんか覚えているわけないだろ、とも読めるわけで。ここまで豪快に無責任を主張しているのを見ると、いっそ拍手を送りたくなってきました。そのままなにもかもみんな忘れて、産経新聞を真っ白な紙面にでもしてしまった方が、世の中のためになるのではないかと思います。そうなったらお笑いのネタがひとつ減ってしまうのは残念ですが。

*1:正確には民主党の主張で、国民新党などの民営化反対はたしかに現状維持に近いものでしたが。民主党岡田代表マニフェスト重点項目「日本刷新・8つの約束」を発表 http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=7037 の8番目参照。

*2:これに関しては産経だけの問題ではありませんが。