黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

ZAKZAKはさらに輪をかけていた。

 昨夜のエントリ http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070925/1190655689 で取り上げた記事を書いた産経の記者以上の馬鹿はいないだろうと思っていましたが、まだ夕刊フジZAKZAK)の記者がいました。産経新聞社が抱える闇の底知れなさに恐怖するばかりです。

連続おの凶行…美少女アニメの影響か!?-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/comic/86661

 それにしても、これだけ事実を歪めた“報道”ができるものなのか。記事の構成は、二つの事件が続いたこと→アニメの放映が中止されたこと→作品の説明→公式サイトでの原作者のメッセージ→結びとして頓珍漢な憶測、と続きます。作品の説明に「斧」を持ち出しているところを除けば、事実関係はほとんどそのままではあるのですが、単に関連のない二つの事実を並べているだけでもあるのです。最初の段落とそれ以後の間になんの接続語もなく、示唆だけによってストーリーを展開させています。これは新聞記事ではなく、フィクションの技法でしょう。記事のかたちを取ったフィクションを書くことによほど馴れているのでしょうね。
 記事に引用されている原作者のコメントも(ここで「製作日記」を「制作日記」と誤記していますね。もちろん、全体に比べたらあまりにも些細な間違いですが)、刺激的な部分だけをつまんだもので、それこそ「大切なメッセージが伝わらない」ので、できるだけ原作者のメッセージに直接触れてみてください。「『斧で敵を殺していくゲーム』」という表現は、夕刊フジをはじめとしたバッシングするメディアへの反論であるのに、この記事ではその点がまったく伝わりませんから。

製作日記 (07th Expansion内)
http://07th-expansion.net/Cgi/clip/clip.cgi
(0425 2007/09/23(Sun))

 「ZAKZAKだからなあ」と言ってしまえばそれまでです。しかしZAKZAKは、“報道”の社会的影響とそれに伴う責任など、まったく考えていないのでしょう。そしてこうした“報道”が垂れ流されることで、世論に無意識の偏見が醸成され、表現が抹殺されていく恐れがあるのです――メディアの表現によって。