黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

猥褻表現関連のニュース2題。

 ちょっと気になるニュースが続きました。今日23日に重なったのは偶然かもしれませんが、ここ数ヶ月の動きがまとまって現れたとも言えます。

asahi.comビデ倫をわいせつ物頒布幇助容疑で家宅捜索 警視庁
http://www.asahi.com/national/update/0823/TKY200708230247.html

 なぜビデ倫が?と、最初目を疑いました。猥褻規制というのは、だんだん緩くなっていってはあるとき急に締めつける、というパターンが続いているのですが、(各制作会社はともかく)ビデ倫はそれを踏まえて活動していたはずで、いきなり捜索に入るというのは、《暗黙の了解を無視して締め付けを強化するぞ》という意思表示でしょうか。

RNBオンラインNEWS
わいせつ図画頒布で逮捕 (2007-08-23・15:10)
 松山市イラストレーターの男が自分で描いたわいせつな漫画を委託販売するなどしたとしてわいせつ図画頒布の疑いで逮捕されました。警察では6600冊の漫画本を押収しました。
 警察の調べによりますと容疑者は自分で描いたわいせつな漫画を岡山県の印刷会社で1万7千冊余りを印刷させおととし4月頃から去年10月ころまでの間に東京や神奈川などの書店に委託販売するなどした疑いが持たれています。警察では容疑者が2003年春頃からわいせつな漫画を描いてこれまでに2万冊余りを印刷しおよそ1500万円の利益を得たとみていて、今後関係者についても追及することにしています。
(個人名等を一部略)
http://ncs2.rnb.co.jp/news/detail.php?recid=12597553

わいせつ漫画販売でイラストレーター逮捕: nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070823-245889.html
 「同人誌でキャラクターものの漫画を書いたが売れず、わいせつ漫画を書くようになった」と容疑を認めているという。
 7作品を1冊1350〜1600円で売っていた。印刷会社の倉庫に残っていた6600冊を押収した。
 わいせつな漫画をインターネット上で販売しているのを見つけ、捜査していた。
(一部略)

 個人的にはこちらの方が気になります。この作家はコミケ等のイベントには参加せず、通販と書店委託で活動していたようです。実際に該当の同人誌を見た人の話では「あの修正レベルではコミケ基準ならアウトだろう」とのことでした。5月に行われた全国同人誌即売会連絡会のシンポジウム*1では「印刷所・即売会・委託書店が三重のチェック体制を敷いているから大丈夫なはず」という結論になっていたのですが、そのへんの隙間を狙ってきたのかもしれません。実際に逮捕されたのは7月という情報もあるのですが、コミケ終了4日後に発表というタイミングは、《即売会には手を出せなかったが印刷所・委託書店は取り締まる》ということなのでしょうか。


 ひとつ強調しておきたいのは、これは例によって見せしめ逮捕だということと、コミケ(およびほとんどの即売会)の基準を守ることが肝腎だ、ということです。それと、これは刑法の範疇であって、条例によるゾーニング(成年マークを付けて未成年には売らない)とも別問題だ、ということ。あわてずに情報収集されることをお勧めします。