黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、他紙コラムをからかう。

朝日新聞夕刊コラムの病的な倒閣キャンペーンーー不偏不党でしたっけ?-ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/276133

 朝日新聞の名物コラム『素粒子』への批判なのですが、なんだか最近の古森さんには珍しく余裕たっぷりな印象です。
 朝日を購読していたころ、わたしはこのコラムをけっこう楽しみに読んでいました。裃を着た『天声人語』に対して浴衣でのんびり、というのが身上みたいなコラムですから、基本的にくだらないことしか書いてないんですね。その中に「耳掻き一杯の毒を入れる(C)石井英夫」。昔の人の感覚では、夕刊というのはそれこそ帰宅して浴衣に着替えて晩酌でもしながら読むものだったわけで、書く方は午前中とかに書いているわけですから、感覚を合わせるのがけっこう大変だったのではないか、というのは、舞台裏の読み過ぎでしょうか。特定の筆者が連日書くスタイルだったはずですが、一時期、10年以上前かなあ、それこそ連日のように「湯豆腐で一杯やりたい」ということばかり書き続け、これにはさすがに読者から批判の投書があったらしくて「もう湯豆腐のことを書くのはやめる」と宣言し、今度は「湯豆腐のことを書きたいが書けない」という状況をネタにし続けていました*1。この手の楽屋落ちは、実はわたし、大好きなんですね。湯豆腐も居酒屋政談レベルでの首相の悪口も、まあ似たような話題だと思います。
 『素粒子』がそういうコラムだ、という前提で読み直すと、おや。余裕たっぷりに思えた古森さんの態度が、なにやら急に。
 「このコラム以外でも朝日は安倍政権の批判ばかりで野党の批判が載っていない」と古森さんは批判しますが、安倍政権の礼賛しか載っていない産経新聞に比べたら、よっぽど健全ではないかと思います。「連日の倒閣キャンペーン」をするコラムが病的だとするなら、「連日の大政翼賛キャンペーン」をする新聞は、いったいなんと表現したらいいんでしょうね。権力を監視し、批判し、それを読者に伝えるのがジャーナリストの使命であるはずですが、ジャーナリストを自称する人がそれを知らないとは思えません。
 まあなんにせよ、『素粒子』はまともなコラムだと思います。基本的に、なにが書いてあるか読めばわかりますから。『産経抄』と違って。

*1:今調べたら、轡田隆史氏だったようです。