黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経抄、パフォーマンスする。

産経抄】8月10日-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/75317/
民主党小沢一郎代表は、常々小泉純一郎前首相のパフォーマンス政治を批判してきた。ご本人だって相当なものではないか。シーファー駐日米大使の前で、持論である「対等な日米関係」をあれだけアピールできたのだから。

 小泉前首相のパフォーマンス政治が批判されたのは、パフォーマンスだけで中身(議論)がなかったから。なかったというのは言い過ぎでも、中身以上にパフォーマンスを強調することで、論理をすっ飛ばし感情だけに訴える手法だったからです。政治家がパフォーマンスをすることそのものが悪いという意見は、なくはないけど今ではごく少数で、“メッセージを伝えるためにあらゆる有効な手段を使う”のは、いまや政治家の常識と言っていいでしょう。クールビズだって壷三のカメラ目線(あれはわたしには上目遣いにしか見えないんだけど)だって、パフォーマンスではあるわけです。さらにいえば、この「産経抄」が使っている文章表現技法、たとえば引用部でも倒置法を使っていますが、これだってパフォーマンスには違いありません。
 小沢氏はシーファー対談で、小泉氏と同じようなパフォーマンス政治をしたのでしょうか。「政治家がパフォーマンスすること」と、「政治家がパフォーマンスだけで政治をすること」は、全然意味が違います。こういうすり替えは、「産経抄」が伝統的に得意とする手法ですね。あるいは、政治家が持論をアピールすること(パフォーマンスはその一部)そのものが悪いと言いたいなら、それは政治の、少なくとも民主政治の否定というものでしょう。