黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、慰安婦の被害を半分に捏造。

慰安婦「契約の下で雇用」 米陸軍報告書、大戦時に作成-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/52405
 「この日本人が経営した慰安所では女性1人の2カ月の総売り上げは最大1500円、最小300円程度だった。個々の女性は経営者に毎月、最低150円は払わねばならなかった」

 http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070518/1179452153 で一度取り上げていた記事なのですが、見落としていたことをコメント欄でPhlsさんにご指摘いただきました。読み直してみると、引用部分はなんか不自然ですよね。わざわざ2ヶ月単位で売上を計算する習慣って、どっかにあるんでしょうか。
 原文と対訳はやっしゃん(dj19)さんのblogで読むことができます。(重ねてGJ!)

◆ 美しい壺日記 ◆ 連合軍通訳翻訳部(ATIS)調査報告第120号(1945年11月15日)
http://dj19.blog86.fc2.com/blog-entry-68.html
“In prisoner of war’s house, the maximum gross takings of a girl were around 1500 yen per month, the minimum around 300 yen per month, or by rule of the house, the girl had to pay to the brothel owner a minimum of 150 yen per month.
捕虜の慰安所では、女性の最高総売上は1ヶ月あたり1500円前後、最低総売上は1ヶ月あたり300円前後であった、もしくは、この慰安所の規定により、女性は最低でも1ヶ月あたり150円を慰安所の経営者に支払わなくてはならなかった。

 "per month"って、間違えようのない表現だと思うのですが。最後の"150 yen per month"を「毎月150円」と訳せるのに、なんで"1500 yen per month / 300 yen per month"だけを続けて間違えるのか。ちょっと考えられないことです。
 考えられるとしたら、慰安婦の売上金額を、つまり“仕事”をした回数を少なく見せかけ、“仕事”の厳しさを少なく見せかけようと捏造した可能性です。まさかこんなすぐバレる捏造報道をするか? と常識的には思うのですが、その点に関して古森氏の記事が信用できないことは、もう明白になっていますから。
 ただ、それにしても、なんというか、この捏造は理解不能です。AP通信の記事を歪めて伝えた件は原文に当たらないとわからないことですから、ちょっと英語が得意な人にありがちな「どうせ俺以外は英語読めないんだからなに書いたってバレねえよな」的な感覚でやってしまうのは理解できるんですが、日本語の文章だけ読んでもおかしく思えるような(どっから「2ヶ月」が出てきたの?)ことを書いて問題にならないだろうと考える思考形態は、もう理解不能です。