黙然日記(廃墟)

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古森義久氏と証言能力。

日本人従軍看護婦たちの死ーー元大本営参謀の証言(5)-ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/168567

 んー。批判しないわけにもいかないんだけど、批判もしづらい気持ちなので、Trackbackも送らずにこっそりと。
 敗戦時、満洲にいた従軍看護婦たちがソ連軍によって暴力的に性的奴隷にされていき、それを知った彼女たち22人が集団自殺を選んだ……ということを、元参謀で統一協会関係者の高橋正二氏が証言したものです。敗戦当時は大本営に属し、戦後は有末機関の一因として占領軍のために日本人女性を慰安婦に仕立てる仕事をしていた高橋氏が、なんで満洲の出来事を見てきたように語るんだろうとか、展開があまりにドラマチックすぎるとか、そういうことを二番目に思いました。講演会の記録から起こした文章のようで、講演というのは同じネタを繰り返すうちにショーアップされていくことが多く、一対一のインタビューなどに比べると証言としての価値は低いものでしょう。こういうものを第一次資料であるかのように大きく取り上げる古森氏の姿勢に、疑問を覚えます。
 ただ、真っ先に思ったのは、誇張があるとしても元になった事実があったのなら、それはあまりに悲惨なことであるなあ、という思いです。なので、大いに疑問はあるのですが、正面からの批判は回避させてください。我ながらナイーヴに過ぎるな、とは思うのですが。