黙然日記(廃墟)

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産経抄の教育観。

産経抄】5月10日
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/51080/

 ひさしぶりに。最近の産経抄は、まともなのが数日続いたと思ったら電波ゆんゆんが数日続くというありさまで、いったいどういうローテーションになっているんだろうなあ。今日のはたぶん極めつけだと思うけど、もしかしたら明日はもっと凄いかも。
 夏になって子供を熱中症で死なせるパチンコ狂いの馬鹿親に対する注意喚起から始まるのはいいとして、そこからなんの切れ目もなく給食費不払いの馬鹿親の話になり、そして漢字テストで「一つ」や「八つ」を間違える子供がいたのは(ここんとこ後述)町から銭湯がなくなったからだと飛躍する。内風呂だって数を覚える年ごろの子供を一人で入れるわけないし、そもそもお風呂で数えるのは「いち、にぃ、さん」であって「ひとつ、ふたつ」ではないし、さらに、話し言葉で「ひとつ、ふたつ」を覚えていてもそれが漢字と結びついていない、というのがこのニュースの前提なんだけど、そんなことも産経抄は理解していないようです。
 まだこれで三分の二だ。一部の新聞が詰め込み教育だと「これを非難する」という文章がいきなり出てくるんだけど、「これ」ってなんだ。まさかお風呂で数を数えることか。どの新聞にそんな文章が出たのか知らないけど、産経抄がなにか読み間違えている(または牽強付会している)、に100モリタポ。そして教育再生会議山谷えり子一味が「親学」を提唱したことに触れて、政府に言われるなんて情けない、と締める。情けないのはつまらないニュースをあげつらって個人の生活に国家が干渉できるように謀る教育時事放談産経新聞ですから。
 「産経抄」が、仮にも全国紙の一面コラムとしてはあまりに質が低すぎるという批判は数多くなされているのですが、ここまで質が低いと、かえってよく見えてくるものがあります。産経の考える教育レベルはこんなものかとか、そもそも自分たちがそのレベルにすら達していないとか。
 後回しにした分ですが、漢字テストのニュースについてはここで書きそびれていました。これは基数と序数を国語の授業として教えていない、あるいは算数の授業では「1つ」「8つ」という形でしか教えていないという、カリキュラム上の欠陥があったんじゃないかと感じました。「一つ」「八つ」という用例が、どの教科書にもほとんど出てこないんじゃないかということですね。総合学習って、国語と算数で一貫性を持たせるとか、そういうことも含むんじゃなかったのだろうか。子供の学力が衰えているという問題とは、ちょっと違うように思います。