黙然日記(廃墟)

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産経新聞の将来の展望。

 週末はネタ切れ気味。

電子新聞、欧米で花開く? 各社参入相次ぐ-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/it/internet/44675

 産経新聞の特徴というと(内容についてはともかくとして)、全国紙としては部数が少ないことに尽きるでしょう。読売新聞の1/5、朝日新聞の1/4、毎日新聞の半分以下といったところですから、売上もそれだけしかない。しかし情報量は同等のものが求められるので(応えられていませんが)、取材や編集の費用は朝毎読と同じだけかかってしまうわけです(原則として。実際はかなり手を抜いているようですが)。首都圏で夕刊を廃止しコストを半分にして価格を3/4にしたのも苦渋の策だろうし、本当なら海外支局をあんなにたくさん作ったり他社の有名記者を引き抜いたりしている場合じゃないと思うんですけどね。
 そこで必要になるのが、ワンソースマルチユースでコストを回収することと、関西地区以外での宅配網の貧弱さをカバーする方策ですが、電子新聞化はまさにうってつけだったわけです。記事にもあるように早い段階で産経NetViewに取り組んだ上に、ニュースサイトとしてSankei WEBとiza!の二つを展開しているのは、日本の新聞としてはかなり異例の取り組みだといえます。
 ところがその、産経の頼みの綱である電子新聞の普及には疑問符が付く、という記事。まあもちろん、産経デジタルとしては上に書いたような事情をすべて認識した上で書いているんでしょうけど。「ニュースサイトは紙の新聞に比べて読みづらい」という声は最初からあるのですが、わたしの場合で言えば10年もずっと見ているので、ディスプレイで横書きの記事をページ単位で読むことにはもう慣れてしまいました。レイアウトの問題じゃなく、やはり紙媒体の利便性が求められているのであって、レイアウトソフトとか電子ペーパーって話ではないんですよね。
 でまあ最後にこの記事にケチをつけておくと、

ある程度の折り曲げにも耐える大型液晶ディスプレー「電子ペーパー」を電子新聞に利用する……

 違うっつーの。一般的に、電子ペーパーは液晶ディスプレイじゃないです。液晶を使うものもいちおうあるらしいけど主流ではないし、そもそも直後で電子粉流体方式(だと思う)の説明を自分でしてるじゃないの。そのへんの電器屋にテレビ買いに来るおっちゃんだって、薄型ディスプレイが全部「液晶ディスプレイ」だなんて思ってないぞ。