古森義久氏、数え間違える。
慰安婦決議案 反日中国系団体主張に酷似
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/44544
ここんとこ古森氏が粘着的に続けている、「ホンダ議員は中国系団体と裏で繋がってるぞキャンペーン」の一環ですが、だいぶネタが苦しくなってきているようです。記事を引用しながら、どこが苦しいのか考えてみます。
古森氏がこの記事でまとめた範囲で、ホンダ議員の決議案を箇条書きで見てみましょう。
続いて、同じく古森氏による、連合会の「要求」文書を見てみます。
なんでこれが「ぴたりと合致しています」なんでしょうか。古森さんは3と4の区別もつかなくなってしまったんでしょうか*1。
また各個の項目を見ても、たとえば「決議案」は「要求」にある『言論の禁止』なんか求めていません。ていうか米国下院がそんなものを求めてきたらえらいことです。その他の文章もかなり異なっているのは、ご覧のとおりです。
両方とも、ものすごく要約すると「ちゃんと頭を下げて『間違ってました。悪かった』と謝れ。謝ったらそのことを忘れるな」という、謝罪要求としてはごく普通のことを述べているだけです。これを「酷似」とか「ぴたりと合致」と呼ぶのは、かなり悪意のあるプロパガンダと言われてもしかたないのではないでしょうか。
……それにしても、意訳でそっくりな内容に置き換えて並べるならわかるのですが、なんでこんなに違う文章を並べて「そっくり」と言い張るんでしょうか。それとも、おもいっきり意訳して箇条書きマジックを駆使しても、このぐらいにしか似せられなかったんでしょうか。わけわからん。
ついでに2点ほど。
中国系団体「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会と略)
「抗日戦争」というのは中国語で一つの単語であり、たとえば「太平洋戦争史実保存連合会」を「太平洋連合会」と略すのと同じぐらい馬鹿げているんですが。「抗日戦争」という(現代中国史を少しでも調べた人なら知っているはずの)単語を知らずに区切って読んでしまったのか、わざと誤解を招く区切り方でプロパガンダを狙っているのか、どちらかでしょう。どちらにしても、あまり誠実な態度とは思えません。*2
とくに謝罪や責任の認知に関して「unequivocal」(明白な)という共通の形容詞の使用が目立つ。
そりゃ、今までの日本政府の対応が、あまりに「equivocal」(あいまい)だったからでしょう。河野談話にしろ、内容は比較的unequivocalですが、形式としては「官房長官」の「談話」にすぎません。英語としてのニュアンスはわからないのですが、あるていど共通の形容詞が使われるのが、そんなにおかしいでしょうか。