黙然日記(廃墟)

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産経新聞、仏大統領候補の名前を捏造。

 コメント欄でtnさんにご指摘をいただいて、そこからいろいろ調べてみたのですが。
 今年行われるフランス大統領選挙において、仏社会党公認で有力な候補である Ségolène Royal 氏について、たとえばWikipedia日本語版ではセゴレーヌ・ロワイヤルと表記されています。まあ、フランス語の発音といえばわけがわからないことで有名なので、表記に多少の違いは生じるのかもしれません。英語でも発音をカタカナに移すのは難しくて、映画俳優時代から大統領候補のころまで「ロナルド・リーガン」と呼ばれていた人が、米大統領になってから実は「ロナルド・レーガン」と発音する方が正しいとわかったり。しかしL→Nと子音が並んでいるんだから、少しでもアルファベットの知識がある人なら、これを「セゴレン」と読むことはあっても「セゴネル」と読むことはまずないだろうと思います。
 ところがいるんですね。産経新聞山口昌子記者(たぶんパリ特派員)が。たとえばこの記事。

ロワイヤル氏が仏社会党公認に 初の女性大統領誕生か-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/27998/
11/17 12:21
 【パリ=山口昌子】フランス社会党は16日、来春の大統領選の公認候補を選出する党員による投票を行い、即日開票の結果、セゴネル・ロワイヤル環境相が全投票数の60.62%を獲得し、社会党としては初の女性の大統領候補となった。(以下略)

 Googleで「セゴネル・ロワイヤル」を検索すると66件で、ほとんどが山口記者の記事かその引用です。iza!で検索すると山口記者による記事でも「セゴネル」と「セゴレーヌ」が混在しているので、本人が間違えて覚えている&校正係が気づいたり気づかなかったり、ということなんでしょうか。


 直接関係ないんだけど、山口記者はだいぶロワイヤル氏のことを嫌っているようで、検索して出てきたのはほとんど批判的な記事でした。その中でも白眉の記事といえば、以前も取り上げましたが、やはりこれですね。

ロワイヤル氏「勉強不足」の中東訪問 手腕に疑問の声|欧州|国際|Sankei WEB http://www.sankei.co.jp/kokusai/europe/061207/erp061207002.htm

 汚名挽回。訂正もしないでそのまま残してある度胸だけは褒めてあげましょう。
 なんで産経の海外特派記者って、日本語の怪しい人が多いんでしょうねえ。特派記者だけじゃないし、校正担当者からしてろくな日本語力がないわけですが。