黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の東京観。

【主張】東京マラソン 大都市での祭りにしたい
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/shuchou/40032/
 これまで砂漠といわれた東京は、「新しいお祭り」を手に入れた。(中略)
 都会の生活は共同体意識が希薄だといわれる。(中略)それほどひどくもないのに、イメージばかりが先行している。
 いや、そうではないんだと改めて思わせてくれたのが、今回の東京マラソンだった。

 あのな。東京在住者と東京出身者に喧嘩売ってんのかてめえは。元大阪新聞のイナカもんあたりが言いそうなことではあるけど。*1
 東京には都市として400年の歴史と伝統があり、さらに1000年以上前から人が住んでいた土地であり、それに見合った地域コミュニティも当然ながら存在します。今は新興住宅地になっている土地でも、中世の武蔵野に広がった農村以来の伝統を持つ神社や寺院がいくらでもあり、それぞれの地域が祭を持っています。
 表面的なイメージだけで“東京”を捉え、現実に存在する土地とそこに本気で住もうとする人間の感情に気づこうともしない“イナカもん”が、東京都に住民登録している中にも存在することは確かでしょうが、東京に生まれ、東京で生きている人間の感情を、“イナカもん”ごときに踏みにじられる覚えはありません。
 こうしたことを声高に主張する行為は、本来は東京人の嫌う野暮というものなのですが、イナカもんの偉そうな態度や上からの押しつけがなにより嫌いなのも東京人の性質です。そして、そうした地域特性を無視した物言いにカチンと来るのは、どこに住んでいる“人間”でも同じだろうと思います。

*1:あたりまえのことを補足しておくと、「イナカもん」というのは都市以外に在住している人一般のことではなく、都市に住み都市を理解しようとせずにねじくれた感情で上目遣いに都市を批判する愚か者に対する呼称です。