黙然日記(廃墟)

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自由民主党の憲法観。

 ところで「法の支配」で思い出したのですが、自民党憲法調査会のページに非常に興味深いことが書いてあることを最近知りました。2004年の話で、ご存じの方にはいまさらでもうしわけないんですが。

http://www.jimin.jp/jimin/kenpou/finish13.html

  • 三 今後の議論の方向性

 憲法を論ずるに当たり、まず、国家とは何であるかについて、わが党の考え方を明らかにし、国民各層の理解を深めていく必要があると思われる。
 次に、憲法の意義を明らかにすべきである。すなわち、これまでは、ともすれば、憲法とは「国家権力を制限するために国民が突きつけた規範である」ということのみを強調する論調が目立っていたように思われるが、今後、憲法改正を進めるに当たっては、憲法とは、そのような権力制限規範にとどまるものではなく、「国民の利益ひいては国益を守り、増進させるために公私の役割分担を定め、国家と国民とが協力し合いながら共生社会をつくることを定めたルール」としての側面も持つものであることをアピールしていくことが重要である。
 さらに、このような憲法の法的な側面ばかりではなく、憲法という国の基本法が国民の行為規範として機能し、国民の精神(ものの考え方)に与える影響についても考慮に入れながら、議論を続けていく必要があると考える。
(強調部は引用者)

 日本の自由民主党は、近代法における憲法の概念(国家権力を制限するための国民からの規範)を根底から塗り替えるつもりのようです。法の支配も民主主義もあったもんじゃないですね。かつての武装闘争路線の共産党に匹敵するほどの国家転覆を狙う団体が、これほどの規模で存在しているとは知りませんでした。