黙然日記(廃墟)

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バーチャル(中略)研究会の詭弁。

asahi.com:アダルト漫画ネット販売、大手6社に対策強化要求へ
http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200612250308.html
大手書籍販売サイトで売られていた約9000冊から100冊を無作為に選んで調べたところ、30冊が子どもを性行為の対象に描いたもので、うち5冊はランドセルを背負っている様子などから小学生以下と受け取れるものだった。

 竹花豊率いるバーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会が、取り締まり強化を提案しています。引用部分、本当に“無作為”に抽出したのか? という疑問がまずあります。
 それから、30%が「子ども」を描いていると聞くと、いわゆるロリコンものがそんなに多いのかと思われるでしょうが、「小学生以下」と限定されるものが5%と聞くと、普通の人は、おやっ、と思うでしょう。規制側の使う「子ども」という言葉は、ほぼ確実に「18歳未満」を意味しているので(法律用語で18歳未満を「児童」と定義しているため)、アダルトマンガに高校生以下が出てくるものが30%しかないと言われると、逆の意味でおやっと思います。
 ただ、記事で触れられているような、成年指定のマンガを(形式的にせよ)年齢確認なしに買えるサイトがあるというのは、ちょっと問題があると思います。「ゾーニングをしているからそれ以上の規制は必要ない」というのが、表現側が譲れるぎりぎりの線なので。こんなところから付け込まれて規制強化されたらたまんないっすよ。
 そもそも、「絵に描かれたキャラクターの年齢」を問題にすること自体がナンセンスだということも、強く指摘しておきます。この意味不明の問題提起が、竹花一味は大好きなんですよねえ。
 また、「子供を描いたアダルトマンガ」の問題と、「アダルトマンガを実際の子供に売る」問題はまったく違う問題であることと、少なくともこの記事では両者をわざと混同させていることも、指摘しておかなければなりません。