黙然日記(廃墟)

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古森義久氏への返答。

ステージ風発:イザ! http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/89611
2006/12/21 01:47 Commented by 古森義久
日本側にいまの拉致問題への国民多数の支持を批判する意見が存在することは、私のこのブログへのTBからでもわかります。
「黙然日記」というブログの筆者は明らかにに、「拉致よりも核が重要」というようなことを書き、拉致解決へのいまの国民的悲願を批判しています。

 はて。わたしは、なにかおかしなことを言いましたか? 
 id:pr3:20061220:1166574572 で「拉致よりも核が重要」という主旨のことは言いましたが、「拉致問題解決はしなくていい」といったことを、一言でも述べたでしょうか。あればご指摘願います。
 ただ、両者に優先順位をつけろ、と言っているだけです。たとえばわたしは領土問題の解決も願っていますが、これが拉致問題に優先するとは考えていません。核問題はさらにそれより優先される、と主張することに、なにか問題はあるでしょうか? 「それとは違う考え方もある」と指摘されるのは歓迎しますが、頭ごなしに否定される理由があるとは思えません。
 日本が核攻撃されたら十万人オーダーの死者が出る(実例が二つもあります!)のに対して、拉致被害者は百人オーダーです。これはものすごく言いづらいことなのですが、大の虫小の虫論というのがあるわけですね。大の虫を生かして小の虫も救うのが優れた政治家だ、とも言われますが、そこにも優先順位があるのは確実です。*1
 拉致問題(を政治的に利用する勢力)を批判すると、「家族会の前で同じことが言えるか」という反論がなぜか必ず返ってくるのですが、面と向かってそんなことを言えるわけがないので、これは卑怯な設問です。ではその批判者は、被爆者や遺族の前で「核問題はどうでもいい」と言えるのでしょうか*2。ただ、こうして公開の場に書くことで、関係者の目にも触れるかもしれない、ということは、常に自覚しているつもりです。この自覚がなければ、文章を公開する資格はないという信念もあります。まして専門の記者として活動する資格などまったくない、ということも、申し述べておきます*3
 繰り返しますが、わたしは日本人として、拉致問題の解決を願っています。ただ、その日本国民の悲願である拉致問題解決を、自己の立場のために利用する政治家が許せないだけです。本当に拉致問題解決を願うなら、彼こそ非難されるべきではないでしょうか。

*1:核アレルギーと呼ばれるような反応だということもわかっていますが、id:pr3:20061118:1163808707で紹介したように、日本人のバックボーンに被爆体験と核アレルギーがあることは、古森さんはPBSテレビで肯定的に語っていらっしゃいましたよね。

*2:卑怯を承知して同じ手法で返すのが、たいへん見苦しいことはわかっております。

*3:この日記で過去何度か軽く触れたことがありますが、わたしは活字メディアに文章を書く仕事に就いていたこともあります。政治的な主張を書いていたわけではありませんが。