黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

パロ同人は盗作ではない。

ITmedia News:「パロディサイトは言論の自由」とEFFが訴訟
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/25/news102.html

 この訴訟は、既存のアニメキャラをおちょくるようなパロディサイトに対して制作会社が削除を要求してきたので、「パロディは言論の自由であり法律で保護される」という確認を裁判所から引き出そうというもの。ちょっと気になります。
 電子フロンティア財団(EFF)の主張がどのぐらい法廷での説得力を持つのかわかりませんが、もし勝訴したら大きな力になるし、逆にもし敗訴してしまったら手も足も出なくなる可能性があるわけで、裁判のゆくえが注目されるところです。もちろん、法体系が違う日本でそのまま適用されるわけではないのですが。
 日本には、既存のアニメキャラクターを使って別のことをさせるアニパロ同人誌*1という文化があります。一部の人は勘違いしているようですが、同人誌作家が独自の解釈を加えてオリジナルのストーリーで描いているかぎり、それ自体は著作権法違反とは言えません。ただ、キャラクターを使用するための商標権によって抗議されることがあり、この場合はキャラクターを盗用して利益を求める海賊版グッズと同一視されてしまっているわけです。そうではない、パロディも表現のひとつなのだ、という主張はあるのですが、同人について(おそらく感情的に)批判的な人々、また興味ない人々には、残念ながらこの主張はあまり知られていない、理解されていないようです。この裁判でEFF勝訴の結果が出れば、そうした主張をもっと理解してもらえるようになると思うのですが。

*1:もちろん、マンガやゲームや小説のパロ同人も含みます。