黙然日記(廃墟)

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のり弁。

 最近ののり弁事情はいかがなものだろう。まずコンビニ弁当の「のり弁」がおかしくなった。昔はパックにご飯を入れておかかと海苔を敷き詰めて魚フライかちくわフライを乗せ漬物を添えただけのもので、それをレンジで温めて食べていた。うまくはないが、安くてそれなりに量があるので、コンビニ弁当としては頼りになる存在であった。それが最近、各コンビニが弁当に力を入れ始めたために旧来のコンビニのり弁が見劣りすると思ったためか、どんどん豪華になりフライ各種にきんぴらに、ヘタするとハンバーグなどまで入っている。どこがのり弁だ。そういうのはミックスフライ弁当とでも名乗れ。
 それにつられて、ホカ弁ののり弁までおかしくなってしまった。わたしののり弁のイメージは、昔のホカ弁にあったのり弁なんですよ。片開きのスチロール容器にご飯を山盛りに詰めて(大盛にすると蓋が閉まらないぐらい)、おかかと海苔を敷き詰めて魚フライかちくわフライを乗せ漬物を添えただけのもの。こう説明すると上記のコンビニ弁当と変わらないが、炊きたてご飯でその場で作るだけで、まったく違う食べ物になる。これをかっこむ醍醐味と来たら他に比べものがないのだが、どうしたものか最近見かけない。うちの近所で見かけないだけかもしれないが、コンビニ風に“豪勢な”のり弁しかない店ばかりになってしまった。長時間営業の小綺麗な弁当屋ばかりになったせいかなあ。
 もちろん本来ののり弁はさらにさかのぼって、アルマイトかタッパーの巨大な箱に飯を詰め込み海苔を敷き詰めただけで中学・高校に持っていくものだったわけだが、あれはあれでもちろんうまかったし懐かしいけど、「のり弁」という言葉では認識してなかったからなあ。ただ「弁当」と言うだけで、かーちゃんの作ったそれだった時代もあったのだ。そこに登場したホカ弁、なかんずくのり弁のインパクトは、いつのまにか過去の遺物になってしまったのだろうか。