黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

山本秀也氏、チャン氏下敷き説にこだわる。

南京事件ドキュメンタリー映画、年内北米公開も-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/42738

 id:pr3:20070125:1169721821 関連っぽく。映画「南京」の配給元が決まったという記事なんですが、なんでこういう見出しになるんだか。
 で、山本秀也記者がこう書いているところに注目です。

中国系女性作家アイリス・チャン氏(故人)の著書「レイプ・オブ・南京」の視点で制作された作品

 「下敷きにしている」が誤報だったと指摘されてから、いろいろ姑息に逃げを打っているようですね。


 keyword:山本秀也 *1 を作るために軽く調べたら、山本氏は産経新聞外信部次長まで務めて現在はワシントン支局長なんですね。もっと若いのかと思っていました。古森義久氏の方が(論説委員はたぶん役員待遇だと思うので)立場は上なんだろうとは思いますが、力関係が微妙なのかも。

*1:名前の読みがわからないのでご存知の方は修正願います。ところでこのキーワード、この日記以外で言及されることはあるんだろうか。ちょっと不安。

古森義久氏、日付を間違える。

 上のエントリを書いている間に古森氏の記事も来ました。

南京事件「30万人根拠ない」米出版社が論破本
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/42755
この2月に刊行された。

 えーと。それは、この本のことですか? 

http://www.amazon.co.jp/Politics-Nanjing-Impartial-Investigation/dp/0761835792/
The Politics of Nanjing: An Impartial Investigation
Kitamura Minoru (著), Hal Gold (翻訳)


商品の詳細
ペーパーバック: 190ページ
出版社: Univ Pr of Amer (2006/10/30)
ISBN:9780761835790

 いやあ、年を取ると時間の経過が速く感じられて、半年前のことでもつい先月みたいな気になってしまいますよねえ。それにしても、ここまできっちり間違えるというのは理解できませんが。

 で、英訳の種本はこちらですが、Amazonの紹介にしても古森氏の記事にしても、「30万人規模というのは捏造だが大規模な虐殺は確かにあった」というスタンスのようです。ウヨが大喜びしてレビューをつけていますが、どういう読み方をしているのか謎。で、英訳本の方は発行から5ヶ月近く経っても1件もレビューがついていないんだけど、影響力はどんなもんなんだろうか。翻訳されただけで「世界に認められた!」みたいにはしゃぐのは、なんつーか、二昔前ごろに日本の歌手が米国でレコードを出して実際にはまったく売れなくても「世界進出!」とはしゃぐのを見たときのような、ある種のほほえましさを感じるのですが。

iza!、情報を隠す。

「南京」反応は 「30万人虐殺」米出版社が論破本|米国|国際|Sankei WEB
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070311/usa070311000.htm

 ちょいと気づいたんですが、基本的には同じ記事のはずなのに、iza!とSANKEI WEBでは文章がパラグラフ単位で違っていますね。こちらではヨーク大学のジョシュア・フォーゲル教授に言及しているのですが、iza!ではその部分がすっかり消えています。古森氏の判断なのかiza!編集部の判断なのかは不明ですが、わけわからん。
 教授の「不同意だが参考になる」という発言は、当たり前のことであって、この本そのものを褒めているわけではないですなあ。

古森義久氏、産経に検閲される。

 こちらはSANKEI WEBに掲載された古森氏の記事。iza!にはまだ(ずっと?)掲載されていません。

トルコ猛反発 米のアルメニア人虐殺非難決議案 「穏健な日本」と対極|世界|国際|Sankei WEB
http://www.sankei.co.jp/kokusai/world/070311/wld070311000.htm

 こちらはYahoo!ニュースに掲載された記事。

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 米のアルメニア人虐殺非難決議案 トルコ猛反発 「穏健な日本」と対極
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070311-00000001-san-int

 見出しが違うのはともかく、後者にある後半の2パラグラフが、前者では消えています。主に米国側の対応について述べた部分ですね。上のエントリもそうですが、なぜ媒体によって記事の内容が違っているんだろう。米国議会の決議案濫発を批判するような内容だから、カットされたのか? 
 しかしまあよくこう次から次へと関連情報を見つけてくるものだと思いますが、そういう意味では古森氏の報道姿勢は評価できますね。データマンレベルの現場記者として優秀だという話で、論説委員としてどうかというのはまた別ですが。