黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経夕刊コラム、タイミングを外す。

【浪速風】朝日のコラムに異議あり 拉致問題で約束を反故、振り回されたのをお忘れか(5月2日) - 産経ニュース
http://www.sankei.com/west/print/170502/wst1705020042-c.html

 約束を反故、ねえ。「一時帰国」の約束で身柄を預かったのに、そのまま戻さなかったのは、どちらでしょう。もちろん、人道的にどちらが正しいかは言うまでもないとしても、国どうし(相手を国と認めるかどうかはともかく)の約束を一方的に反故にしたのは、こちらが先です。
 朝日新聞が批判しているのは、「北朝鮮の脅威」を持ち出せばなんでも思い通りにできると考えている、安倍晋三政権の専横でしょう。言っときますが、これに対して「この非常時に内政批判をしている場合か」という反論は受け付けられません。問題をすり替えて好き勝手をするのは、(軍事)独裁国家の常套手段です。国際情勢が危機にひんしているからこそ、愚か者を政権に就けさせておくわけにはいかないのです。
 タイミングがいいのか悪いのか、このコラムと入れ替わりのように、ドナルド・トランプ米大統領すら「北朝鮮との対話の可能性」を言いはじめました。棍棒を振り回すことだけを自己目的化して外交をないがしろにするのは、《棍棒外交》とは言いません。