黙然日記(廃墟)

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産経「主張」のヘイトスピーチ制限法案観。

【主張】ヘイト法案 拡大解釈招く懸念がある - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/160513/clm1605130001-c.html

 ふーん。教員に政治活動の自由を認めないわりには、言論の自由にだけはやたら熱心なんですね。
 基本的人権「公共の利益」 「公共の福祉」 *1によって制限され、それは「他の人権とのぶつかり合い」と翻訳できます。たとえば、名誉毀損の自由がないことには、産経「主張」にも同意してもらえるのではないでしょうか。これだって、拡大解釈しようとすればどうにでもなります。
 《日本の司法は、これまでも差別問題に概(おおむ)ねまっとうに向き合ってきた》というなら、拡大解釈の危険は(ないとは言いませんが)非常に少ないものです。産経新聞朝鮮学校批判キャンペーンがおかしいのは、まず「子供に罪はない」という当たり前の事実から目を背けて負担を押しつけるようなことを言っているからです。そもそも論として、民主党連立政権が導入した高校無償化に、当時産経は顔を真っ赤にして反対していましたが、今はなにも言いませんよね。世界的にも常識の政策だということは、当時からわかっていたのではないですか。
 最後は「法律を作って日本人の道徳心を高めることが重要だ」という、トンデモ理論が顔を出します。まさかこういう結論になるとは、あいかわらず産経ウォッチはやめられません。

*1:コメント欄でid:sutehunさんのご指摘により訂正。