産経「歴史戦」のすり替え。

　運動会シーズンですが、8年前のアニメソングをBGMにすると、出場する6年生もいろんな意味で恥ずかしいと思います。普通に『天国と地獄』とか『トランペット吹きの休日』とか使いましょうよ。

【主張】米慰安婦像　続く歴史戦に反論重ねよ - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150925/clm1509250003-c.html

　産経新聞は、「歴史戦」という言葉を最初は括弧に入れて説明しながら使っていたのに、いつのまにか「読者は了解しているもの」として使うようになってきましたね。通用するのは産経読者の間だけですから、外で使うときは気をつけましょう。
　サンフランシスコ市決議の初期案だという《慰安婦を「日本軍によって拉致され、性的奴隷の扱いを強要された20万人のアジアの少女や女性」》を産経「主張」は《事実無根》としていますが、「拉致」は事実誤認としても、あとは事実ですね（日本人も当然アジア人です）。修正決議には、現在世界で行われている人身売買を非難する内容も含まれるというのですが、なぜ二つの問題がワンセットになっているのか、考えたことはあるのでしょうか。朝日新聞の誤報があったとしても、人身売買や性奴隷問題と関わっていることには変わりありません。《女性の人権や尊厳を守る日本の立場は変わらないのに、論点のすり替えが行われている》とか言っていますが、すり替えているのは産経と歴史修正主義者たちです。
　《慰安婦像設置も、日本を不当におとしめる「歴史戦」の一環にほかならない》という、わけのわからない被害妄想を振りかざして周囲を巻き込もうとするのは、産経こそなにが目的なのでしょうかね。